ドンキの革靴を手入れしたら塗装が剥げてまるで違う靴に

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前回、ドンキの革靴を購入した時のことをまとめさせてもらった。しばらく履いて、「まあ値段通りか…」という印象だったのだが、せっかくなので手入れをしてみた。

その結果、クリームを塗布したところの塗装は全て剥げてしまい、左右でまったく色が変わってしまった。

合成樹脂・合成皮革・合成塗料、合成・合成・合成…の革靴なのでこうなることは当然予想できたが、「手入れをしたら終わり」の革靴となると、この革靴の最大の売りである「安さ」は失われることになる。一度履いたら終了、あるいは全く手入れをせず履き続けるしか選択肢が無い革靴、それでは逆にハイコストな革靴となり魅力は全くない。

ドンキの革靴を手入れしてみた

馬毛ブラシでブラッシング

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革が合皮(というかエナメルのような素材)であるため、汚れは付きづらかった。土・泥などの染み込む汚れはドンキの革靴には付着しない(防水性能はない)。まずは軽い汚れを落とす程度にブラッシングを行い、目に見える埃・チリ汚れを払った。

クリーナーで磨いて細かい汚れを落とす

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異変に気づいたのは、このクリーナーで磨いていく時であった。本来であれば、汚れが落ちていくはずなのに、汚れと同時に革靴の色までも落ちていくことになった。本来はその後、靴クリーナーを使った方法で仕上げにかかろうとしたところだったが中断した。

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ドンドン磨いていくと、黒に近い茶色が明るめの茶色に変わっていった。磨き始めてしまって全体の色にムラがでないように、全てを磨くしかなく、その結果がこれだ。

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これはこれで、味があるといえばそうなるが…。磨いた方の右足が、まだ磨く前の左足より明るくなったのがわかる。さすが安物といったところなのか、元々そういう持ち味をもったものだったのか不明。どっちが本当の色なのか分からなくなるくらいだ。

同時に、購入当初の微妙なグラデーションは、革靴の塗料がハゲているものだという認識もできた。↓の写真は履く前(購入直後)のもの。微妙に先端や縁周りに茶色が見て取れるが、買った当初は「染色が下手だなあ」と思っていたのも、結局これは店頭に陳列されて、擦れたり・色々な人が履いたりした中で色がハゲていったものだと理解できた。

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安物の革靴を磨いてみて改めて感じたこと

まず、手入れをしているのに色が落ちていくことには驚いた。これは果たして「革靴」と呼べるのだろうか、それすらも疑問に感じる。クリーナーを使って磨いたことで人工皮革である合皮は、表面上で化学変化を起こして色が落ちたのではないかと考えられる。あまり、クリーナーを使って磨くことはオススメはできない。もしドンキの革靴でしのぎながら履くとしたら、馬毛ブラシなどの柔らかい毛で払う程度に磨くしかない。

恐らく豚毛ブラシなどの固く鋭い毛では、今度は引っかき傷のように物理的に塗装がハゲてしまうだろう。

普通革靴であれば、どんなに安いものでも手入れをしていくうちに「味」が出てくることものだが、ドンキの革靴からはそのような気配は一切感じられなかった。結局3980円の代金を無駄にしてしまい、その日限りか、「よごれたら捨てる」程度の消耗品と考えて購入したほうが落胆具合は少なくて済むだろう。しかし、どんなシーンにおいてもこの革靴が「便利だ」「買ってよかった」と思える場面が想像できない。

例えば、雨の日に塗れてもいいようにこの革靴を買ったとしても、復旧不可能なので、その日限りの3980円の塗れてもいい靴を買うということになる。これは考えとして本当に経済的だろうか…。恐らく3980円もあればかなり有能なレインブーツ・長靴を購入することができるし、今の革靴が濡れたとしても3980円かけて手入れすれば元に戻る。

それくらい落胆の大きかったドンキの革靴であった。