ドライヤーNG!革靴の正しい乾燥方法と水分補給

革靴の雨対策として、ドライヤーを靴の中に突っ込んだり、ヒーターの前に置いたりして乾かせていないだろうか。除湿・乾燥は重要な手入れ方法の一つだが、多く人がその方法を誤っている。また、雨で濡れた革靴の水分をとってあげることだけを「乾燥」と勘違いしている人が多い。

実は乾燥の仕上げには、水分補給をさせることが一番大事であり、物理的に「ただ乾かすだけ」では革を痛める原因になる。

正しい革靴の乾かせ方の3ステップ

濡れたらすぐに除湿・乾燥させる

水を吸い込んだ革靴は、すでに劣化が始まっている。できるだけ早くその靴を脱ぎ、乾燥させること。表面の水分は、タオル等で叩いて水分を取り、内部の水分は新聞紙をつま先まで敷き詰めて乾燥させる。新聞紙は水分を含んだまま放置させずこまめに交換することがポイント。

乾燥させすぎると型崩れの原因に

すぐに乾燥させることポイントだが、ドライヤーやヒーターなどを利用して物理的な外力で水分を取り除こうとすると革の劣化を進行させてしまう。革のひび割れや、シワの原因になるため、できるだけ新聞紙や自然乾燥を心がける。

乾燥させた後は、程よい水分・油分の補給

革も生き物とよく言うが、人の肌のように乾燥させすぎると肌荒れ、革靴で言うところのシワ・ヒビ・型崩れを起こしてしまう。水を吸収した皮革は、油分が余計に失い硬くなっているため、適度な水分・油分を新たに加える必要がある。

「せっかく乾かしたのにまた水分?」と思うかもしれないが、革クリームの20~30%は水分で構成されているため、別に水を含ませるというわけではなく、理解として覚えておいてほしい。革クリームを全体に馴染ませ、また乾かしたら手入れは終了。暗所にて最低3日以上は放置し、くれぐれも連続して履かないように気を付けること。

靴は4足以上用意している?

そもそも論だが、あなたは靴を何足用意しているだろうか。

ビジネスマンとして革靴は最低でも4足以上は用意しておく必要がある。4足用意していれば「ドライヤーで乾かそう」という思考回路には到底ならないはず。

雨や季節に関わらず、革靴は常に湿度100%の状態を維持しており、雑菌は繁殖し放題。人の足も毎日200~300mlもの汗をかいているため、乾燥対策は雨の日だけに行うものではない。出張などで、例外のケースもあるかもしれないが、もし革靴を1~2足で履きまわしている方は注意しよう。