革靴の表面に白い斑点が!カビの生えた時の除去方法

湿気が続く時期や、長らく放置していた革靴を久しぶりに出してみると、白い斑点がポツポツとできていたことはないだろうか?汚れだと思って擦っても取れない…一体なんだろう…

その正体はカビ

6月の梅雨の時期~8月の夏にかけてカビが最も増えやすく、革靴にとっては「カビの時期」とも言われている。これからのカビの時期に備えた知識として、カビの生えた時の対処&手入れ方法を伝授しよう。

カビはなぜ生える?生える条件・原因について

カビはなぜ生えてくるのか?多少のカビは靴に付着してくることがあるが、それは目に見えないくらいの大きさで気付かないことが多い。カビが生えるというより、むしろ増殖して目に見えるようになるほど大きくなったというイメージ。

つまり、カビが目で確認できるようになった頃はすでに遅く、ブラシで擦っても消えないのはこのため。

カビの色が重症度のサイン

革靴に生えるカビには、種類がある。その色によって、対処できるもの・できないものと分類できる。

白色・緑白色のカビ

革靴に最も多く見られるのが、白色・緑白色である。これらのカビはまだ軽度のもので、除去できる可能性が高い。性質的に表面のみについているカビなので、ブラシとクリーナーを使いながら綺麗に拭き取ることで対処できる。

赤色・黒色のカビ

赤色・黒色のカビはかなり重症。特に黒色は、革靴の皮の内部まで浸食しており、表面のカビをキレイに除去しても黒いシミが残ることがほとんど。色付きのクリームで上塗りしたり、表面的なカビを除去することに成功しても、カビの芯が残っているのでそこからまた増殖してしまう。

従って、赤・黒カビが発生した場合は潔くその革靴を「捨てる」というのが最も効率的。

カビの生える・増殖する原因

カビが生える・増殖する4つの条件がある。それは、酸素・温度・湿度・栄養である。

酸素 カビも生きている為、酸素がないと死ぬ
温度 6月~8月に当たる時期の20度~30度が最もカビが増える温度
湿度 カビが最も繁殖しやすい環境は、湿度80%以上
栄養 カビは主に埃や汚れを栄養分としている

カビが生えてしまったときの除去方法

しっかりとした対策をとっていたとしてもカビが生えてしまうことはある。特に日本の夏は世界でも類を見ない湿気大国。過信せず、対策方法はマスターしておこう。

家でも簡単にできるカビの完全除去方法

除去の手順:カビの拭き取り→乾燥→手入れ

カビの拭き取り

軽度なカビ(白色・緑白色のカビ)であれば綺麗な乾いた布でカビを拭き取る。軽度なカビは、比較的簡単に摩擦の力のみで除去可能。しかし力を入れ過ぎると革の繊維を傷付けシワとなってしまうので注意。またカビを拭きとった布はすぐに捨てること。カビがその布に移り変わっただけなので使い回しすると綺麗な靴に転移してしまう。

乾拭きで拭き取れなかったしつこいカビについては、綺麗な布をアルコール除菌液をつけて拭き取ると効果的。アルコールは一定の殺菌効果が備わっており、また消臭・抗菌効果もある。湿度の高い夏のメンテナンスとしてクリーム代わりに使用している人もいる。

また、乾拭きではなく水拭きもカビに対しては効果的。「水拭きをするとカビを更に発生しやすくさせるのではないか?」というのが一般的な考え方であるが、水拭きをしてドライヤーで水分をすぐに飛ばすとカビが死滅する。これを何度か繰り返すと表面的なカビは消える。

カビの除去に超おすすめのクリーナー

除菌力が高い有機ヨードを配合しカビの表面にそのまま吹きかけ死滅させるスプレーだ。このスプレーを革靴全面が湿るくらいに噴霧し、コットンやクロスで丁寧に拭き取ると、汚れが浮き出ているので簡単にきれいになる。その後半日~1日程度陰干しし、仕上げのツヤ出しクロスで拭き上げれば大体のカビは除去できる。

毎日手入れをしていてもカビが生えてしまう理由

人間の足は体のパーツの中でも特に汗腺が集中している部位で、サラリーマンのように1日中革靴を履いている方は、1日に足裏からコップ1杯分の汗(200~300ml)をかくと言われている。

その水分を完全に乾燥・除湿するためには、最低3~4日という日数を必要とするため、毎日同じ靴を履いていたり、履き回していても2足でローテーションしているものは、いくらメンテナンスを行ってもカビ地獄から逃れることはできないのだ。

できる営業マンは必ずと言っていいほど毎日違う靴を履いている。別に着飾っていたり、調子に乗って毎日違う靴を履いているのではなく、靴や足の性質を考えた場合、最低限3~4足以上で履き回したほうが、衛生的にも靴の寿命的にも効率がいいのだ。

もし、毎日手入れをしているのにカビができやすいという人は、「同じ靴を連続して履かない」というのも手入れ方法の一つと覚えておこう。