靴底・かかと・ソールの「減り」と手入れ&減耗しにくい歩き方

靴底(ソール)の減り方で、その人の性格や仕事への取り組む姿勢が分かる。すり足だったり、そもそも革靴を大事に扱おうという意識がなければ「必ず」と言っていいほどソールは磨り減ってしまう。

私も最初は歩き方がきれいだったわけではないが、靴底の踵がすぐに削れて張り替えることが多いことから歩き方を見直した。①正しい歩き方+②定期的なメンテナンス+③いざという時のための応急処理。この3つを覚えておくだけで、今まで半年程度で磨り減ってしまっていたソールも、その倍以上の期間長持ちさせることができる。

ソールが磨り減らない正しい歩き方

正しい歩き方をするためには、正しい姿勢を保つことが重要。

【正しい姿勢】

  1. 目線を少し上に顎を引く
    ※視線が下になると自然と前傾姿勢になりがち
  2. 重心は少し後ろの踵に乗せるようにする
  3. 足から頭まで一直線になるのを意識する

【正しい歩き方】

  1. 正しい姿勢を維持しながら10m先に視線を置く
  2. 歩き出しはつま先から蹴りだす
  3. 二歩目は膝を伸ばしながら踵全体で着地
    ※重心全てを移動させる

靴底の良い減り方・悪い減り方

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蹴り出す際、つま先の拇指球あたりの部分と、踵の部分が左右同じように減っていれば良い歩き方といえる。それ以外に当たる方は、重心のかけ方は左右バラバラであったり、すり足で踵が削られやすい傾向と言える。

写真のような減り方は左右対称に減っているものの、外側に向かって大きく減っているためこれで歩き続けるのは足に大きく負担がかかる。内・外に向かった減り方が大きいと、ガニ股・内股であることが考えられるため改善が必要。

減る箇所 理由・傾向 起こりうる怪我
外側 ガニ股・O脚の人に多い 膝痛・腰痛
内側 内股・X脚に多い。膝が曲がっていたり、
猫背の人や偏平足に多い
腰痛
つま先 体が前のめりになりすぎている 外反母趾
かかと ガニ股に非常に多い、腹筋と背筋が弱いこ
とによる猫背に多い
血行不良・腰痛
片方だけ極端に 体全体に歪みがあること、骨盤を診てもら
必要がある
体の歪みからの腰痛

誤解してほしくないのは、「ソールが減る」こと自体は悪いわけではないということ。ソールが磨り減るのは、経年劣化の過程で当然の事象であり、ヒドくなれば交換すればいいだけの話。ここで伝えたいことは、その症状の頻度やスピード。1ヶ月足らずで磨り減りが見えたり、つま先に穴が空いたりするようであれば問題があると言わざるを得ない。この表はあくまで参考資料として頭の片隅に置いておいてほしい。

革底のメンテナンス方法

革底のメンテナンスは基本的に土や砂汚れ、埋め込まれた小石の除去くらいしかできない。しかしその地道な確認作業が革底をきれいに維持するためには必要。専門的にメンテナンスしていく場合は紹介した革底専用クリームを使って保湿すると耐久性を上げることができる。

レザーソールの摩耗・しなりをケアし、ソールの減毛対策としては必須のアイテム。目に見える汚れを払い、革の表面にクリームを塗る要領で普段通り塗り込んでいきます。手入れとしては全く難しいことはありませんので是非試してみましょう。

革底から見るその人の歩き方や性格

靴底にはその人の性格や革靴に対する意識が垣間見える。きれいに歩いている人を見るとしっかりした印象にもなってイメージアップにつながる。革靴の見た目も大事だが、歩き姿だけでも優秀な営業マンに見られることもある。

歩き方を正せば健康面や腰痛予防にもなり、結果的に革靴自体の耐久性を上げることになるので面倒臭がらずに実践してみよう。