ビジネスシーン別・TPOに合わせた革靴の種類と着こなし

今回はTPO別にコーディネートできる革靴を紹介していく。

「とりあえず黒のストレートチップ…」と無難なスタイルで済ませてしまっている社員も多いと思うが、シーン別にきちんと革靴を履きこなしてこそ一人前のビジネスマン。それは決して自己満足なおしゃれではなく、ビジネスマナーだと思う。私も入社して3年間はずっと黒スーツに黒の革靴の、いわゆる就活スタイルのまま働いていた。あえて言うならネクタイの色が変わったくらい。

もちろん、相手に不快な印象をあたえることは少ないし、清潔感があればそれでもいいと思う。ただ、TPOによって革靴にもルール・マナーがあり、その時に合わせた革靴のスタイルを通すことは営業マンとして心得ておく必要はある。もっと革靴を楽しむ術としてスタイル(服装)に合わせた選び方を紹介しよう。

スーツスタイルに合わせたコーディネート

営業マンのフォーマルな服装として定番なスーツスタイル。私も入社5年目くらいまではスーツスタイルだった。今でも、大事な現場ではスーツスタイルで行くこともある。基本中の基本の型、初めて購入する革靴は以下のいずれかから選択すれば大怪我はしない。

ストレートチップ

最もオーソドックスで当たり障りない型。ビジネス・カジュアル・冠婚葬祭までこれ一足で補えられる。つま先先端に真っ直ぐなラインが入っていて、全体を引き締める効果がある。足の横幅が広い日本人の足を細身に見せてくれる。ほとんどのサラリーマンが履いている革靴がストレートチップ。シンプルだが色合いや紐、革の調子を変えるとカジュアルな履き方もできるため利便性が高い。

プレーントゥ

冠婚葬祭や就活などフォーマルな場面で履くならプレーントゥあるいはストレートチップ、そう言われているくらいスタンダードな2種類。足の甲の部分に何も装飾等がない。汚れが目立ちやすいというデメリットもあるが、サッと一拭きの手入れだけで済ませられるお手軽感はメリットとも言える。プレーントゥの革靴はサイズが小さくても大きく見えるため、身長が低い男性はあまり似合わない。

ホールカット

ホールカットは一枚革でできており縫い目が踵だけにしかない。縫い目が少ないため足との一体感を強く感じ、高潔でスタイリッシュな仕上がりとなる。メンテナンスも手軽で、ビジネス以外にカジュアルにも使用できる型。欠点としては、一枚革を使った高い技術を要する製法なので値段が高いこと。もう一つは、深い傷や、踵の張り替え等を要するときに、高い修理費用が必要になってしまうこと。ホールカットは確かにカッコいいが、革靴についてよく熟知してから購入したほうがいいかもしれない。

モンクストラップ

「ストラップ」といったように、足の甲を止める部分が紐ではなくベルトタイプになっている。紐と違いにカジュアルになりがちだが、広く浸透してきているのでそういったイメージは払拭されつつある(しかしフォーマルなシーンにおいては難色を示すオジサマたちも多いので注意)。また、紐を結ぶのが面倒な人には最適。紐ジワができないので型崩れしにくく、靴の脱ぎ履きも便利。しかし、ベルトの隙間に砂埃や汚れが溜まりやすいのでメンテナンスをこまめに行う必要がある。経年によってベルトが引きちぎれてしまうため、10年20年と履き続けられるタイプの靴ではない。

オフィカジュアルのジャケットスタイルに合わせたコーディネート

オフィスカジュアルスタイルは業種が限定されてしまうが、結婚式の二次会や、最近では婚活パーティなど、こういったカジュアルスタイルを着こなさなければいけないシーンが増えていると思う。私も少し遊び心を取りいれる時に、相手に不快に思われない程度に足元だけおしゃれすることがある。そんな時に私が気をつけていること、知っていても損はないカジュアルスタイルに関するノウハウをまとめてみた。

パンチドキャップトウ

ストレートチップにメダリオン加工を散りばめた型。カジュアルでも少しフォーマル寄り。しかし明らかに「装飾」なので、カジュアルスタイルにしか合わせられない。

ウイングチップ

日本の王道がストレートチップなら、米国の王道はウィングチップ。アメリカの一般的な革靴スタイルで穴飾りの装飾がつま先全体にまで施された靴。私服・スーツはもちろん、スポーツなどにも用いられる耐久性と履き心地が売り。

Uチップ

足の甲の部分がつま先にかけてU字型に縫い付けてあるタイプ。全体的に丸みを演出してくれるため、スーツを着ていても柔らかい印象を与えることができる。カジュアルスタイルだとよりフランクで、人当たりが良さそうに見える。色合いによってフォーマルにもカジュアルにも履きこなせるため個人的にとても好きなタイプの靴。

ローファー(スリッポン)

「ローファー」と聞くと、学生時代に履いていたものを思い出すが、最近はローファーがおしゃれのトレンドになっている。また見た目やデザインよりも、靴紐がなく簡単に着脱可能な利便面が高く評価されている。いちいち紐を結び直す必要が無いし、ゴミもたまりにくいため手入れも簡単。七分丈のパンツに、靴下を履かないいわゆる「石田純一スタイル」で履きこなすことも可能。フォーマルシーンではまず禁止だが、カジュアルシーンでは色々な工夫ができる。

ちょっとした装飾・型で個性を発揮

shurui

シーン別、スタイル別に革靴を紹介してみたがいかがだっただろうか??

足元の印象は自分が思っている以上に周りからは見られているし、初対面の相手は必ず視覚からあなたの印象を決める。足元はその要素となるため、営業マンや対お客様と仕事をしている人にとっては軽視できないポイントだ。

金融・不動産・公務員などいわゆる「お固い」お仕事をしている方にとっては全く無関係だったかもしれないが、最近では良い意味でビジネスの場で欧米化が進んでおり、服装や靴について文句をいう上司が少なくなった(気がする)。しかしこれは本当に会社によって異なるため注意してほしい。そうでなくとも、婚活や結婚式の二次会、飲みの席、プライベートで履ける靴を後半に紹介したので、是非何かを感じてもらえた方は試してみてほしい。