スーツを着こなすうえで、大切なことはサイズ感である。そのため紳士服店では、身長・胸囲・胴囲と3つの項目を合わせて、スーツのサイズを選べるようになっている。
しかしスポーツをやっている方や、胴囲だけが太くなってしまいがちな方は、自分にピッタリのサイズのスーツが、紳士服店で見つかりづらい。そういった方はオーダースーツを買うことがおすすめ。
計る部分はパターンオーダーとほとんど同じだが、既製品とは違い、スーツの丈や胴囲周りと細かい部分まで、自分で指定できる。また最近では安くオーダーメイドできるようになり、オーダースーツを買う方も多くなってきている。
オーダースーツで失敗しないためのコツ

オーダースーツは、イージーオーダーとフルオーダーの2種類ある。イージーオーダーは、予め決められたスーツの型(型紙)に合わせて、細かい修正を施し自分に合ったスーツを作り出す方法。フルオーダーはその名の通り、体の隅々まで計り世界に1つだけのスーツを作り出す方法。そのため、これ以上ないフィット感を味わうことができる。
イージーオーダーのメリット
自分の体に合いやすい
型紙が決められているイージーオーダーでも、細かい採寸を行い、胴囲や肩幅、太ももなど細かく計るため、パターンオーダーより自分の体にフィットしやすい。
オーダースーツの中でも安価に済む
工場にある100種類以上に及ぶ、決まった型紙に合わせて作るため、オーダースーツの中でも安価に済ませることが可能。
生地を自分で選べる
パターンオーダーとは異なり、イージーオーダーでは生地を自分で選ぶことができる。
自由に指定できる部分がある
型紙が決まっているため、形は指定できないものの、裏地のデザインやボタンの変更、ポケットの有無を自分で指定できる。
イージーオーダーのデメリット
体型が変わるとフィット感も失われる
飲み会の多い職場では、特に体型が変わりやすく、徐々にフィット感がなくなっていく。そのため採寸した時の体型を、ある程度維持しておかないといけない。
手元に届くまでに時間がかかる
決まった型紙はあるが、スーツの形になっていないところから作り出すため、時間がかかる。パターンオーダーであれば、2週間以内に丈を直すぐらいで済むが、イージーオーダーは仕上がるまで、最低でも1ヶ月以上かかる。
完成するまで試着ができない
パターンオーダーでは、お店にサンプルとなるものが置いてあるが、イージーオーダーは型紙しかないため、完成するまで試着できない。そのため、お店によっては失敗を避けるべく、微妙にサイズ感を大きくしていることもある。
フルオーダーのメリット
自分だけのスーツができる
体のクセや左右差などを考慮して作るため、体に必ずフィットする。
1人の職人が仕上げる
1人の職人がお客さんと相談してスーツをつくるため、細かい要望に合わせるだけでなく、さらに細かい要望にも応えられる。
形を指定できる
型紙がないため、自分の要望に合わせて形を変えることができる。オリジナルの形はフルオーダーでしかできない。
フルオーダーのデメリット
作り始めるまでの採寸に時間がかかる
作り始めるまでに細かく採寸していくため時間がかかる。そのため、採寸から完成まで約3ヶ月近くかかる。
フルオーダーを行っているお店が少ない
紳士服店で行っているイージーオーダーとは違い、フルオーダーを行っている職人が限られてしまう。
値段に上限がない
フルオーダーは生地やデザインまで全て手掛けるため、値段に際限がなく、求める質を上げれば上げるほど値段が青天井に広がる。安くても10万円以上かかることを覚えておこう。
初めてオーダースーツを作るならイージーオーダー
フルオーダーで行っている紳士服店は限られてくる。イージーオーダーであれば、ほとんどの紳士服店で行っているため、家から近いところでつくることもできる。また、採寸が1日で終わることもあり、作り始めてから手元に届くまで1ヶ月かかることを予測しておけば、目処がつきやすい。
値段も安く、イージーオーダーでオーダースーツを作っても約2万~3万円で済んでしまうところもある。規制品のものとほぼ同価格で、オーダースーツが手に入ってしまうのだ。出来上がるまで時間がかかるものの、妥協ないピッタリと合ったサイズ感のスーツを買うために、オーダースーツはおすすめだ。