「150円」というところに突っ込みたいとこだと思うが、そこはひとまずおいておこう。
結論から言うと、100均のシューキーパーは意外と使い勝手が良い。
造りは確かに粗が目立つが、良い意味でも悪い意味でもバネが固くないので靴を過剰に圧迫させたりする心配は無いし、色々な革靴に応用できる。ただ壊れやすいのが難点で、陳列されている商品の中には既に商品が欠けていたり、バネがぶっ飛んでいるものもあった。購入したのは私の地元のダイソーだが、商品によって大きく質が異なるようなので、買う前に手触りや質を確認しておく必要がある。
そもそもシューキーパーの役割・効果とは
シューキーパー（シューツリー）の目的はシワ予防と型くずれ防止。
特に屈曲部分のシワを予防する目的で使用される。これを放置すると履きジワが目立ち、その部分がひどく乾燥しやすくなってしまうのだ。すると甲全体の防水効果が失われ、劣化を早めることとなる。
これはシューキーパーを使わず、メンテナンス不足によってシワができてしまった私の革靴。以前、「革靴のシワを消すことはできない！乾燥対策が長持ちのコツ」でも解説したが、シワがこのように形成されてしまうと、もう二度と元には戻らない。
せっかく高い靴を買っても、シワが一度でもできてしまうと、それが跡となって残ってしまうのだ。ちなみにこのメンテナンス不足の革靴は、履いて半年近くでこのように深いシワが形成されてしまった。こうならないために、シューキーパーを始めとする日頃のメンテナンスが重要となってくる。
「安かろう悪かろう」と思って買ったダイソーのシューキーパーがそれほど悪くなかった
前置きが長くなってしまったが、早速本題。
やらないよりマシだが壊れやすいのが難点
革靴のメンテナンスはしたいと思っているけど何をすればいいかわからない、と感じている方は意外と多いのではないだろうか。それと同じように、メンテナンス用品をできるだけ安く抑えたいと思っている人も多いだろう。中には100均でメンテナンス用品を全て揃えているという強者もおり、意外とその社員の靴が綺麗だったので、私も試してみることにした。
実際に使った感想としては「悪くはない」という程度。
値段以上の価値は感じることはできたが、「これは良い！」という感じにはならなかった。
バネがかなり軟らかく、25cm程度の長さなので27cm以上の靴の人はほとんど意味がないかもしれない。またシューキーパーによる「除湿効果」を期待することもあまりできない。もっと木の体積が大きく、靴にフィットするものを購入しないと、除湿・除菌・消臭というプラスアルファの効果は期待できない。「シワ予防」という観点で行える最低限のケアが、ダイソーのシューキーパーで行えると考えてほしい。
言い換えれば、除湿・除菌・消臭というプラスアルファの効果を期待する場合、
・気の体積が大きく靴にフィットするもの
・革を圧迫せず自然に靴を支える構造のもの
をシューキーパー選びにおいて検討すると失敗しにくい。
注意！かかとに跡ができるかもしれない
つま先部分は靴によってうまくフィットするが、かかとは「点」で支えているだけなのでかかとに凹凸跡ができるかもしれない。理想を言えばかかとのカーブに沿った支点がほしいところだが、ダイソーの大量生産型シューキーパーではこれが限界。布などを当てておけばまた違うかもしれないが、自分の中でのランクが低い革靴に使用するにとどめ、大事に使っている革靴においては使うべきではないかもしれない。
高額なシューキーパーを購入する必要はあるのか
今回は100均のシューキーパーを紹介したが、恐らく「これを使いたい！！」とは思わなかったはず。
あなたが思っていることは「シューキーパーにお金をかけるべきか」という点であろう。結論を言えば、そこまでシューキーパーに対して神経質になる必要はない。もちろん使うに越したことは無いが、実は私もシューキーパーを積極的に使っているわけではない。
革靴1足に対してシューキーパーを1つ買わないといけない理屈になるので、お金が間に合わないというのが正直なところ…。
実際に私はシューキーパーは一つ高価なものを持っていて、それはお気に入りの靴にだけ使用している。日々4～5足の革靴をローテーションし、連続して同じ靴を履かないよう心がけ、1回履いた靴は4日以上間隔を空けるということを自分の中でルール化している。
もちろん日々のメンテナンスは怠らないが、シューキーパーを装着している靴と、新聞紙を詰め込んでいるだけの靴に、劣化の速度差があるかと言われると、正直分からない。革靴のシワは新聞紙を詰め込んでおくだけでほぼ100％予防できるし、防水効果の衰えもない。私の中でシューキーパーは少しランクが上（日々革靴のメンテナンスに気がかけられる人向け）のような印象があるので、毎日のメンテナンスすらまともに行えない人は買うべきではないと思う。
