【おすすめシューケア用品まとめ】革靴の手入れは道具で変わる

革靴の手入れは道具ひとつで劇的に変化する。「革」というのは人間の皮膚と同じで日々「呼吸」をしており、毎日栄養(オイル)を与えないと劣化していく。私が何かヤバイ宗教に入っているとかそういうことではなく、これは本当の話。

そして、革靴を履いたその日はもちろん、基本的に「革靴を履かない日」もメンテナンスは必要。

この記事では特に、「革靴手入れ初心者」の方に向けた、ブラシ・オイル・クリーナーと一通り必要なものについて揃えてみた。

豚毛ブラシのおすすめと選定ポイント

豚毛ブラシの目的は2つある。従って、用途別に2つ豚毛ブラシを用意するとよい。まず一つ目の役割が、革靴表面についた汚れを払い落とすこと。革靴の手入れで一番初めに行う行程が、土埃や砂埃を払うこと。そのために豚毛ブラシを使う。つまり、一番汚い状態の革靴にまず触れるのが豚毛ブラシ。

二番目の役割が、クリームやオイルを革の内部に染み込ませること。毛先が固く細いほど、革を傷付けずに浸透させることができる。これについてはペネトレィトブラシを用いてもよい。

R&D豚毛ブラシ プロブラシ

豚毛ブラシの中でも非常にリーズナブルなのがR&D。安さの理由が「化繊+豚毛」の合成ブラシによるからで、純粋の豚毛ブラシではない。しかし、豚毛ブラシの本来の目的が先程も解説したような「汚れの払い落とし」「クリームの塗り込み」ということなので、むしろ化繊などの人工的なコシの強さが逆に革靴の手入れとしてマッチしている。

R&Dペネトレィトブラシ

先程の豚毛ブラシを2本用意してもいいが、クリームの塗り込みをより本格的に手軽に行いたい場合はペネトレィトブラシを使った方が楽。値段も400円と安価なので、R&D豚毛ブラシを2つ買うよりお得。

馬毛ブラシのおすすめと選定ポイント

馬毛ブラシは豚毛ブラシと違って少しお金をかけても良いポイント。というのも、馬毛ブラシは革靴の手入れが全て完了したとき、仕上げのツヤ出しとして拭き上げるために使うものだからだ。従って、馬毛ブラシの質が悪いと、それまでの手入れにかけた時間が全てぱーになる恐れがある(少し言いすぎかもしれないが)。しかし、実際に馬毛ブラシの方が豚毛ブラシより値段の幅が広く、高いものは5000円、10000円以上するものもある。

江戸屋

ブラシと言えば「江戸屋」。それとBootBlackが共同開発した高級の馬毛ブラシ。豚毛ブラシは「消耗品」というイメージがあるが、馬毛ブラシについては全体の仕上げに使うものなので、質がよく息が長いものをできれば使いたい。はっきり言って値段は高いが、コストパフォーマンスで言うと満点に近い。

クリーナーのおすすめと選定ポイント

クリーナーには2つの役割がある。1つ目は、汚れを落とすこと。2つ目は、古いオイルやクリームを落とすこと。1つ目については理解できると思う。毎日蓄積された豚毛ブラシやクロス類で落とせない汚れを、科学的に除去する役割。

そして2つ目については、冒頭「革靴は人間の皮膚と同じ」ということをお話したが、毎日補給しているオイルやクリームを革靴は「排泄」しているのでそれを綺麗に取り除くためにクリーナーを使う。少しイメージがつきにくいかもしれないが、オイルやクリームといった油分は、革が乾燥しないよう栄養を与えるために必ず必要になるものの、油分なので蒸発はせず、むしろ「酸化」して腐敗をもたらす。それを定期的にクリーナーで除去してやらないと、革の内部に古い油分が溜まりっぱなしになってシミやカビになるのだ。

「オイルを抜く」という表現を使ったりするが、そういったイメージ。

サフィールレノマットリムーバー

クリーナーと言えば「サフィールレノマットリムーバー」。そう言われるほどクリーナーとしての効果が知れ渡っている。価格も1500円とお手頃で、そう毎日使うものではないので(1ヶ月に1度くらい)、1本は持っておきたい。シミ・カビ・しつこい(原因不明の)汚れなど、とりあえずサフィールで落ちなかったら、修理に出そうというのが私の中での感覚。

シュークリームのおすすめと選定ポイント

クリームと一言で言っても、靴に色をつけるクリームや栄養与える保湿クリームがある。様々な種類のクリームを使い分けて革靴本来の良さを引き出そう。

サフィール クレム1925

これは、私の知り合いの靴磨き屋のマスターが話していたことだが「サフィールを持っていない靴磨き屋はいない」というほどの代物。シューケア界では不動のNO1アイテムとも言っても過言ではない。一番の特徴は「油性なのに浸透する」ということ。サフィールの配合には水分を含んでおらず、ワックスと油分、溶剤のみ。乳化剤よりも輝く理由がそこにある。さらに、女性のスキンケアで有名なシアバターが使われているため、その保湿性と浸透性が高いことは言うまでもない。一度使ったらやめられない程の中毒性もあると言われている。

ワックスのおすすめと選定ポイント

キィウィ パレードグロスプレステージ

「鏡面磨き」をするならこのワックスがおすすめ。他のワックスとは輝きが明らかに異なりワックスの代表ともいえるシューケア用品。乳化性クリームでしっかり仕上げたあと、こちらのワックスを少し多めに取って練り込む。カラカラでシワが目立っていた革も、このワックスを使えば自分の顔が映り込むほどピカピカになる。

保湿クリームのおすすめと選定ポイント

M.モゥブレイ デリケートクリーム

水分を多く含んだ保湿クリーム。保湿クリームの目的は革に水分・油分を適度に馴染ませ栄養を与えること。従って「これを塗れば艶が出る・輝きが増す」といったものではない。日々のメンテナンスで必要な「栄養補給」。塗り込み過ぎるとカビになり、全く使用しないと乾燥の原因になる。革靴以外にの革製品に広く使うことができるので、1つ持っておいて損はないだろう。

シューケア用品で革靴の寿命が決まる

革靴は手入れひとつで劇的に変化する。新しい革靴を買うぐらいなら、今使っているシューケア用品を見直して、質の良い道具を買い揃えたほうが結果的に節約になることも多いだろう。必要なものを全部揃えても1万円程で済むし(最高級ブラシを除いて)、1万円でその後の革靴の寿命が変わるのであれば私はシューケア用品の必要性は大きい存在であると感じる。