革靴に補色クリームを塗ったらそこだけ変色してしまいました

補色クリームは革の染み込みやすさで色を選ばないと塗った部分だけ変色してしまう。

ただ革靴と同じ補色クリームを塗っていいわけではない。場合によっては無色のクリームでも補色できることがある。まず変色した部分をリムーバーで落とし、以下のことに気をつけてその革に適した補色クリームを選ぶ。

  • 革靴の色より濃く変色している場合はその色より薄い補色クリームを使う。
  • 薄く変色した場合は革靴の色より濃い補色クリームを使う。

補色は簡単そうで意外にも奥が深い。また革に合った補色クリームを使えば再び変色することはない。

補色クリームの選び方

補色クリームは革靴と同じ色のものを選べばいいと誤解している方が多いが、基本は革の色よりも少し「明るめ」のクリームを選ぶ。なお例外として、「黒」の革靴を履いている方は黒の補色クリームでOK。

革は製造工程でプロの職人によって染色されているため、全く同じ色の補色クリームは存在しない。そのため補色クリームで完璧を目指すことは難しい。基本的には、革靴の色よりも明るい色の補色クリームと同ブランドの黒の補色クリームを用意しておこう。黒クリームを補色クリームと絵の具のように混ぜて調整し、色合いを整えていく。

私のおすすめは「サフィールノワール」。色は13色と他ブランドと比較しても最多であり、シアバターを配合しているため皮膚の温度で溶け、指で塗っても染み込みやすい。溶けやすい・染み込みやすいということは、色の調整も簡単ということで、多くの革靴ファンからも高い評価を受けている一品。

補色クリームで変色してしまったときの対処方法

まずはリムーバーで補色クリームや油分など、革に付いた全てのものを落とす。特に補色クリームを塗った部分は念入りに落とし、革本来の色に戻す。変色した部分に関しては別途で混ぜた補色クリームを用意しておこう。変色した場合に合わせて、濃く変色した場合はその補色クリームより薄い色のものを用意する。また薄く変色した場合はそのクリームに黒を混ぜて色を濃くすることで色を調整する。

無色の靴クリームで革に油分と栄養を補給させる。その後一日置いて靴クリームが革に馴染むのを待とう。靴クリームを塗った直後だと色が濃くなってしまうが、革に馴染むと本来の濃さに戻り色が塗った直後より薄くなる。

部分的に補色クリームを塗るときはペネレイトブラシを使う

全体に補色クリームを染み込ませるときは布や専用の豚毛ブラシで行うが、部分的に補色したいとき(全体の補色が怖いとき)は、細かい作業になるためペネレイトブラシがおすすめ。変色した部分をペネレイトブラシを使って別途で用意した補色クリームを染み込ませていく。もちろん全体用としてもペネレイトブラシは使用できるし、消耗品なので色ごとに何本持っていても困らない。

一日置いて色の濃さを確認

塗った瞬間は革に色が馴染んでいないため、一日置かないと補色について判断できない。色落ちした部分は一度の補色では足りない場合もあるため、場合によっては経過を見て上塗りする必要もある。塗り過ぎたとしても、補色クリームはいわゆる「染色」の作業ではないのでリムーバーを使用すれば比較的簡単に落とすことができるので心配はない。