靴ベラの重要性~なぜデキる営業マンはシューホーンを携帯するのか

ビジネスマンにとって「革靴」はその人の仕事なりや性格そのものを写す鏡だと思う。例えば、しっかり磨かれた靴の表面なのに踵を見て潰れていたりすると、「細かい所には目が行かないのかな」と肩を落としてしまう。第一印象は確かに大事だが、頭かくして尻かくさずの状態を見られてしまうと、そこからお客様と関係構築していくことは難しい。

「かかとを踏まない」

幼稚園児でもできることだが、「おい!○○!」と上司に呼ばれたりすると、どうしても急いでつま先をトントンと叩きながらかかとを踏んで走りだしてしまう。しかしそんな時に、携帯用の靴ベラをサっと内ポケットから取り出し、スマートに革靴を履くことができれば、それを見たお客様や上司は「デキるやつ」と感心することは間違いない。

靴べら(シューホーン)の目的

革靴は本来、足にフィットするように作られており、新品の革靴に関して言えば、伸縮性がなく全く足が入らない。踵が布性のスニーカー等に比べて革靴の踵は固くて履き脱ぎがしづらいことから、靴べらが使用されるようになった。そして、「履きやすさ」だけでなく「靴を傷めないため」の予防グッズとして広く用いられるようになった歴史がある。

靴べらのメリット

靴べらを使用することで踵を潰さずに履くことができる。無理にグリグリと履いた際の、踵の内側の巻き込みがシワになったり、踵が広がったりすることを防いでくれる。踵が潰れてしまうと、歩行時に靴が形を維持できず足に負担がかかるようになってしまう。

踵が踏まれた靴はみっともないだけではなく、実は足や靴に負担がかかっているのだ。

靴べらの種類

靴べらはプラスチック性のものを使っている人が殆どだと思うが、自宅用の靴べらであれば、少し高くても金属製木製のものをオススメする。新品の革靴は踵が本当に固く、特にプラスチック性ものだと簡単に折れてしまう。金属製は、革よりも硬いので変形することなくスムーズに新品の革靴を装着させることができる。

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また自宅用として靴べらを選ぶ際は、立ったままでも使用できる少し長めの靴べらを選ぶのがポイント。

携帯用の靴べらの選び方・ポイント

持ち運び用も同様木製又は金属製のものを選んだ方がいい。お客様のご自宅から帰る際など、人前で使用することが多いためデザインにも気を遣おう。

個人的には携帯用は金属製の方がしっくり来る。身に付けるもので光り物を扱うのは嫌味があるが、靴べらや仕事関係の道具(万年筆や手帳など)で光り物を使用していると非常に相手の印象がいい。

名刺が靴べら代わりになる

つい靴べらを忘れてしまったときでも、「名刺」を使用すると靴べら代わりになる。軽く反り当てながらかかとを滑らせるとうまく履くことができる。もちろんお客様の名刺を使うのは言語道断だが、「いざ」という緊急時のために覚えておこう。

毎日手入れをして、毎日愛着を注いでいれば、どんなに急いでいても靴べらを使わないと気が済まなくなるはず。

指を革靴に突っ込みながら履いたり、無理やりかかとを踏みながら履くのは絶対にNG。しかしこれはいくら私が言っても、結局は意識の問題なのだと思う。

「靴べらを使わなければ!!!!」という堅い意志を築き上げるには、革靴に対する思いやりを高めないと無理だろう。冒頭で、『「革靴」はその人の仕事なりや性格そのものを写す鏡だと思う。』と話した理由もこういう考えが私にあるからだ。是非これを読んでいるあなたは、「靴べら中毒」になってくれることを祈っている。