「シャツの原則」として、オーダーシャツの専門店軽井沢シャツはこんなことを話している。
- 体型に合うものを着る
どんなに素材やデザインが良くても体型に合っていない衣服を「着こなす」 ことはできない。- 動きやすく、着心地がいい
衣類の基本は先ず「着心地」。- TPOを考えながらも表現する
装いのドレスマナーは”周囲に対する気遣い”である。
シャツというのは単なる防寒具ではなく、あなた自身を着飾り心躍らせてくれるもの。確かに「自己満足」と言われればそれまでかもしれないが、それで仕事のモチベーションが上がったり、ビジネスにおける交友関係が広がれば、それこそシャツ一枚で無限の可能性を感じられるだろう。
服というのは私たちが想像している以上に、身近で簡単なコミュニケーションツール。ビジネスマンとしてそれを利用しない手はない。ここではそんなオーダーシャツの魅力や、選ぶ上での注意点などをまとめていこうと思う。
オーダーシャツの魅力
オーダーシャツと聞くと、1枚◯万円もするものだと勘違いされるが、ある程度型が決まったものから色や袖柄、ボタンなどの装飾をカスタマイズして作成するパターンオーダーであると約5,000円台で作れてしまう。
購入してすぐ持ち帰るということはできないが、在庫リスクを伴わないためその分、良心的な価格と良質な生地・素材でコスパ抜群のシャツが完成する。首周り・袖などを一度計測した経験があれば、以降はネット注文なども可能なので有効活用していきたい。
スーツの着こなしを際立たせる
どんなに生地の品質が高くても、どんなにデザインや柄が秀逸でも、体型に合っていなければ意味がない。またシャツはそれ単独で着用するものではなく、スーツを際だたせるための「脇役」。そしてたまに表を出し、存在感をアピールする「曲者」。
全てはスーツありきで、その着こなし・着心地を高めなければスーツを主役として立たせることはできないのだ。また「良いシャツを着ている」という自尊心が、あなたの背筋や雰囲気、出で立ちまで変えてしまい、スーツがより際立つことだろう。
オーダーシャツのデメリットと注意点
ここまで説明した内容から大方想像はできるが、基本的にオーダーシャツは「自己満足」であり、オーダーシャツが無くても仕事はできるし生活も困らない。むしろお金がかかることであり、「魅力」と言っても抽象的な表現しかできないのが実情だ。ブランド物を購入する心理には似ているが、注意点についても一通りまとめておこう。
手元に届くまでに時間がかかる
「オーダーシャツ」なので当然受注生産。パターンオーダーでも早くて約2週間、フルオーダーだと生地やデザインから選ぶと1ヶ月以上かかってしまう。例えば軽井沢シャツなどネット注文による受注も普及しているが、初めてのオーダーシャツであれば実際に店舗に足を運んで採寸するのが吉。
身体のサイズ変化に左右されやすい
ワイシャツはスーツよりも肌に密着しているため、ウェストや肩幅といったサイズ変化に敏感。またインナーの厚さにも左右されてしまい、薄い夏と着込む冬ではフィット感が変わってしまう。通年で着用することは考えず、季節ごとのオーダーシャツを用意する必要があり、お金がかかる。
扱いが難しい、毎回クリーニングに出す必要がある
「クリーニングに出さなければならない」わけではないが、オーダーシャツは他のシャツと違って当然愛着があるため、どうしても自宅の洗濯機が信用ならない（これは心理的な問題）。クリーニング代といっても、1枚200～500円程度なのでそこまで負担ではないかもしれないが、すべてオーダーシャツにこだわるとなると大変だ。
衣服はクリーニング次第で寿命が1年も2年も伸び縮みするため、一人暮らしの方はそれに時間が掛けられるかどうか。クリーニングに出すにしても家計への影響を考える必要がある。もちろん既婚者は奥さんの理解についても…。
以上がオーダーシャツの魅力と注意点に関する説明。「良いシャツ」を着るというのは本当に気持ちのよいことだが、それそのものを目的にしてしまっては意味がない。しかし、役職付きの上司がヨレたワイシャツ、黄ばんで古びたワイシャツでは格好がつかない。またそれ以上にお客様に対しても失礼。自己満足であると同時に、相手に対するおもてなしとしてのコミュニケーションツールであることも忘れずに。
全てをオーダーシャツで揃えるのは正直おすすめしないが、ボーナスや昇進の自分へのご褒美として、勝負服の一枚を購入してみるのも良いだろう。
