イージーオーダースーツはフルオーダーと違い型紙の形が決まっている。その種類は非常に豊富で、腕や足、胴体など体の部位それぞれに対応して変更が可能。例えば、店内の既製品スーツを着ながら「このジャケットの腕のサイズ感はそのままに、肩幅や丈はあっちのものが良い」といった要望に応えることができる。もちろんパンツも同様。
着用感についてフルオーダーとの違いが気になるが、動作に応じたフィット感があるかどうかの差。型紙から作るフルオーダーは動作にも応じて体にフィットする。イージーオーダーでピッタリに作ると動作に応じていないので、歩く・走る・座るといったときに窮屈に感じてしまう。そのためサイズ感に少しゆとりを持たせて作り、動いたときでも窮屈さを感じさせないように工夫されている。
イージーオーダースーツの魅力
体型に合ったスーツが作成可能
イージーオーダーは既製品のように出来上がったものではなく、自分の体型に合った型紙を探す作業から始まる。そのパターンは100種類以上。腕・胴体・脚・袖・背中などといくつかのパーツに分かれた型紙の中から採寸して自分にベストな組み合わせを選ぶことができる。しかし型紙のサイズ感は決まっているため、多少の調整はできても他の部分とサイズ感に差がある。スーツ量販店のY体やA体といったサイズ表記が、さらに細分化されているイメージだ。
既製品とほぼ同価格でコスパが良い
イージーオーダーのもう一つの魅力は価格。あまり知られていないが、相場は約3万~5万円と既製品とほぼ変わらない。また体にフィットしている方が、生地も傷みにくく長持ちする。そのためスーツを注文する方法の中でもイージーオーダーは最もコスパが良いとされている。
早ければ1ヶ月以内に仕上がる
イージーオーダーは型紙が決まっているので、最初に採寸したら仕上がったときの形がある程度決まる。しかし仕上がりが早い分フルオーダーのように仮縫いがなく、最初に決めたサイズで仕上がってしまう。そのため途中で微調整ができないので、最初の型紙選びは慎重に行おう。
デザインや生地のパターン数はフルオーダーと同じ
型紙が決まっているだけで、それ以外はフルオーダー並みに注文可能。生地選びやデザイン、ボタンの配置などは全て自由。デザインはスリーピースだとビジネスシーンだけでなく結婚式にも使えるためおすすめ。また生地はウールやコットンがイージーオーダーで用いられることが多くビジネス向きだ。
既製品・イージーオーダー・フルオーダーの違いについて
既製品 | イージーオーダー | フルオーダー | |
価格帯 | 1万~5万円 | 3万~5万円 | 5万~100万 |
仕上がり時間 | 当日~1週間 | 3~4週間 | 1ヶ月~2ヶ月 |
フィット率 |
60% | 90% | 100% |
製造方法 | マシンメイド | マシンメイドorハンドメイド | ハンドメイド |
メリット |
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デメリット |
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イージーオーダーは見た目や直立状態のフィット感には問題ない。しかし動作時にフルオーダーとの差を感じる方が多く、少し窮屈になりやすい。そのため複雑な動きに対応するために、イージーオーダーでは予め採寸したサイズより大きめに作ることがおすすめ。
また既製品との違いは仕上がりに時間がかかるだけで、他でイージーオーダーが劣っている面はない。中でも体へのフィット率に関してはジャケットとパンツのサイズ差を調節できるだけでなく、腕や肩幅、ウエストなどと細かく変更できる。そのため大きい体型の方に関わらず細い方にもフィットする。
既製品はサイズ表記が5cm刻みであり、ジャケット・パンツを別々のサイズで買うことができないため融通が利かない点も覚えておこう。しかし、オーダースーツそのものを体験したことが無い方にとっては、イージーオーダーのデメリットを感じないほどその出来栄えに感動することだろう。
イージーオーダースーツがおすすめの人
- スポーツ体型の方(肩幅が広くウエストが細い)
- 上半身と下半身でサイズ感が異なる方
- 既製品ではフィットしない方
- 安価で体にフィットしたスーツが欲しい方
以上のような要望がある方におすすめしているのがイージーオーダースーツ。歩く・座る・走るといった複雑な動作に対応するためにはフルオーダーが最適だが、既存の型紙からでもある程度のフィット感は実現できる。