昨年「フンデオ」という足臭対策アイテムが流行し、個室居酒屋や座敷の料理店に配置されるようになった。男女問わず足の臭いというのは気になるもので、特に男性は夏場、足元がサウナ状態になっているため社内や飲み会の席で靴を脱ぐのは気が引けるだろう。
多くの人がニオイの原因を調べ、対策を図っていることと思うが、その原因が「革靴にある」と認識している人は意外と少ない。靴を変えたり、靴のメンテナンスをちょっと変えるだけでも、実は足の臭いを消すことができる。少なくともわけのわからないサプリメントや、におい付のスプレー、制汗剤なんかは買う必要は無い。
足が臭くなる原因の9割はその「靴」にある
足のにおいの原因は、蒸れに伴う雑菌の繁殖と、足の皮脂・垢が化合したもの。
雑菌が生まれることはしょうがない。我々人間は良くも悪くも「菌」に生かされているわけだから。ただ、その菌を野放しにしておくのはよくない。私たちができる対処法としては、その菌の繁殖をできるだけ止めること。そして、その菌の繁殖原因を作っているのが「靴」であることを理解し、そのメンテナンスや環境を整えてやることが一番の対策法なのだ。
雑菌は汗をエサにしている
雑菌が繁殖するエサになっているのが汗と皮脂だ。
雑菌は繁殖することで、においを増長させ腐敗臭を演出する。汗をかいた瞬間に「クサイ」と思うことはないが、汗をかいて時間が経つとニオイを感じることが多いと思う。これは、雑菌が汗や皮脂をエサにして繁殖した結果であるから。
加えて、足は地面との摩擦によって大量の垢を排出する。これが革靴の中で汗と一緒に蒸され、菌が大繁殖しニオイを造り出すのだ。
あなたの足が臭いのではなく、革靴が臭い
雑菌の繁殖原因は他にも温度・湿度も関わってくる。
特に革靴は、雑菌にとって天国のような条件。
革靴は足の体温がこもりやすく、温度・湿度も高い。スニーカーなどに比べると通気性が格段に悪いので、汗の蒸気の逃げ場がない。季節関わらず履き始めて5分足らずで湿度100%に到達し、雑菌の繁殖が始まるのだ。
ニオイの対策方法は?雑菌を減らす簡単な方法
一日中履いている革靴で「汗をかかないようにする」というのは不可能である。従って、すぐにできる靴の対策方法としては、革靴を4足以上でローテーションすること・インソールを換えること・抗菌の靴下を履くことである。
足の臭いは、あなたの足がもとから臭いのではなく、革靴を除湿しきれないまま履き続けていることが原因。つまり、生乾き状態で毎日履いているので、いくら足を清潔に保ったり、制汗剤やスプレーで足汗を防ごうとしても限界があるのだ。
同じ靴を連続で履くことは絶対に避け、1日履いた靴は3~4日置いておく必要がある。
人間の足は一日でコップ1杯分の汗をかくため、帰宅する頃には、靴は汗だくの雑菌まみれになる。あなたも洗わない服や肌着を1週間以上連続で着ることができるだろうか?革靴も同じで、一度履いた靴はしっかり洗って、乾燥させて、次に備えさせる必要があるのだ。これを怠ると、カビやシワなどの原因に繋がり、劣化を早め、結果的に革靴にかかる出費が嵩んでしまうことになる。
今すぐできる革靴の臭いを消す方法
最後に、簡単にできる靴の消臭方法と、この記事のまとめを紹介する。
・毎日同じ靴を履かない(最低4足用意する)
・毎日革靴の手入れをする
・1日履いた靴は3日以上日陰で除湿する
・レモンの絞り汁を染み込ませた布を靴の中に入れておく
・除湿剤や新聞紙を入れておく
・10円玉を靴の中に入れておく(入れたまま履いてもOK)
・手の消毒などに使うエタノールをかける
・できるだけ厚手の靴下を履く
・中敷を入れる
・通気性に特化した革靴を履く
などなど…。逆にやってはいけない足臭対策は、足用の制汗剤や香り付けが目的のスプレー類でにおいを誤魔化すこと。
マナーとして、身だしなみと同じくらい重要なニオイ。そんなニオイは自分でも気づかないことが多い。人それぞれ感じ方も違い、臭いと思う人もいれば、思わない人もいる。
だから難しいのだが、一番やってはいけないニオイ対策だけ覚えてほしい。それが、香水などの芳香剤によって、ニオイをニオイで上塗りする「マスキング」という対処法。これでは全く対策になっていないし、香水の匂いを「不快」と感じられるお客様もいる。いつも言っていることだが、自分目線ではなく、相手の目線になれば、その対策法が合っているのかどうか分かるだろう。