新品の革靴をストレス無く足にフィットさせるためにはいくつか方法がある。
一番やってはいけない方法が「履き慣らす」こと。言い換えれば、新品の革靴は、「履き慣らす」以外の方法で馴染ませることができるということ。
せっかく卸したての革靴で家を出ても、その高揚感はもって4~5分。家から駅まで歩いているうちに「キツい…」「痛い…」と、会社に着く前に嫌になる人も少なくない。そうならないための「革靴の伸ばし方」について簡単にできる方法を紹介しよう。
新品の革靴の伸ばし方
新品の革靴を伸ばすために「毎日履き続ける」という方法は、むしろ革靴を痛める原因。革靴はローテーションして履くことが基本であるが故に、足に馴染ませるためには時間がかかるし、無理矢理毎日履いていても臭いや汗が取り切れず、劣化を早めてしまうだけ。
革は良い意味でも悪い意味でも「生き物」なので、その特性を活かすと革をすぐに柔らかくすることができる。
方法①:オイルで栄養補給する
「革靴は生き物」であることはよく耳にすると思う。従って、毎日栄養(オイル)を与えないと履いていなくても劣化が進む。また、正確に言うと今あなたの手元にある革靴は、縫製されて革靴としての形をなしてから実際に販売されるまで、一度も栄養補給を受けていない。手入れをしてしまえば「新品」ではなくなってしまうので。
つまり、その革靴は新品のようで新品ではない、しかし栄養不足でカラカラに硬化してしまった商品。もっと言うと、見ず知らずの人が試し履きをした革靴かもしれないし、通販で購入したものであっても一度返品を受けたものかもしれない。
従って、新品の革靴が手元に届いたら、まず栄養補給・オイル補給で息を吹き返させる作業をする必要がある。新品の革靴は見た目以上に乾燥状態にあるため、しっかり革にオイルを練り込んであげよう。
新品の革靴におすすめのクリーム
サフィールは靴磨き職人が誰しも持っているという代物。しかも値段がお手頃で、補色・光沢・栄養補給とオールインワン的に使える多様性なので、これさえ持っていればシューケアには困らない。
方法②:シューズストレッチャーを使って伸ばす
シューズストレッチャーはまさに「靴を伸ばすための道具」なので、オイルを使ってもどうも足に馴染まない時の頼みの綱。なお、オイルを塗り込んでしまうと返品ができないので、まずはシューズストレッチャーを使って伸縮性を確かめるのもOK。
そもそも革靴は0.5cmほどの可動域を持っており、その人の足にフィットするような形状記憶的な性質を備えている。シューキーパーのように型くずれ・シワ予防の要素もあるため、一足に対して一つ持っておくのは革靴の寿命を伸ばすためにも重要。
方法③:レザーストレッチミストを使って伸ばす
きつくなって履けない革靴を柔らかく伸ばしてくれる魔法のミスト。シューズストレッチャーは物理的に革を伸ばしてくれる道具だが、新品同様の時期だと時間が経てば元の大きさに伸縮してしまう。シューズストレッチャーで革を伸ばしながら、そこにレザーストレッチミストを吹きかけ馴染ませていくと、うまい具合に革が伸びる。
理想としては、シューズストレッチャー(又はシューキーパー)と手入れ用のオイルだけで済ませたいところだが、どうしてもうまくいかない場合にこのレザーストレッチミストを使ってみてほしい。