仕事を辞めたいけど言えない。上司・先輩に退職の意志を伝える方法

仕事を辞めたい」その一言が言えなくて悩んだことがある人は多いのではないだろうか。

私は仕事を辞めた経験は無いが、「辞めます」ということを伝えた経験はある。入社2年目のことだった。「辞める」と決めてから何日も仕事が手につかず、中々言えない日が続いた。そこで思ったことや実際に行った行動、現在人事として働いている経験から、わかることをまとめてみようと思う。

まず退職願を書いてみよう

恐らくまだあなたは「辞めたい」と漠然に感じているだけだと思う。転職先が既に見つかっており、あとは辞意を伝えるだけ、という人は別だが、とにかく今その職場から逃げ出したいだけの人は退職願を書いてみてほしい。

書き方やフォーマットは何でもいいが、上司にそれを提出するつもりで書いてみる。そして出来上がったものをまじまじと見てみる。すると一気に「退職・仕事を辞める」という実感が湧いてきて、色々考えられるようになる。

これは私も経験があるが、本当に今その仕事を辞めたいのであれば、とにかく退職願を書き、引くに引けない状況に自分を追い込んでみることから始めよう。

辞めた後自分はどうするのか?
仕事はどうやって見つけるのか?
本当に辞めて大丈夫なのだろうか?
貯金はいくらあったっけ?
家族や親にはなんと伝えよう?

「辞めたい」と漠然に考えていたころより、具体的に辞めたあとの自分を思い描くことができるはずだ。まずはそこからはじめてみる。ちなみに、退職願だろうが退職届だろうが会社の事務処理は変わらないし融通が効くので、どちらでもいい。

「辞めます」と伝えられない人の特徴

yameru

私もそうだったが、「辞めます」と伝えることができない理由は、上司や人間関係がうまくいっているからだと思う。上司や先輩、同僚に申し訳ない、そういった気持ちの方が強くて辞意を伝えることができなかった。

意外と会社や人間関係でうまくいっていない人や思い入れがない人はスパっと辞められるのだが、お人好しほどズルズル先延ばしになってしまう傾向がある。

なぜ「辞めます」と言うことができたのか

私が「辞めます」と言うことができた理由は、正直分からない(すまん)

というのも2週間ほど「今日は言うぞ!」と意気込んで出勤していて、言えない日が続いたので、正直その空気に慣れたというのもある。

また中々辞意を伝えきれない人の特徴として、次の転職先が決まっていないケースが多い。次の転職先での出勤日が決まっていないため、時間的余裕があったり、追い詰め切れていない自分がいるから言い出せないのかもしれない。

自分が本当に辞める意志があって、独立起業するつもりが無いなら転職先が決まってから辞める準備をするのも手だろ。次の転職先が決まってしまえば、言うしかないので逃げ場はなくなる。

会社はあなたがいなくても回る

本当に感心すべきところだが、企業というのはよくできている。そこそこ続いている会社であれば、たった1人欠けたくらいで潰れることはないし、あなたがその会社でやってきたことは本当に微々たるものだと気付かされる。

「この人が辞めたらこの部署はどうなるんだろう?」

あなたの会社にもそう感じる人が1人はいると思うが、意外と会社は回る。

これは私の父が話していたこと。私の父は70年以上続く会社の部長を務めていて、定年で会社を勇退した。退職当時は「会社が心配だ」「しばらく電話が来るかもしれないから電話は肌身離さず持っておこう」と話していたが、辞めた直後から一度も電話はかかってこなかった。

引き継ぎも満足にできたわけではなかったみたいで、それなのに電話が全く無いため、一体自分は会社にどれだけ貢献できていたんだろうか?と少し悲しくなったと話していた。

つまり何が言いたいかというと、辞める人間に対してはどんな優れた功績をこれまで残していたとしても、常にドライだし、代わりはいくらでもいるということ。

また「辞めます」と伝えた瞬間に、会社は次の補欠・補充要員のことを考え始め前を向く。どうしようどうしようと足踏みをして考えることは絶対にしない。これは私が今人事の仕事をしているからわかるのだが、「辞める」と決め込んだ社員を引き止めることは最初の1~2日で、ダメだと思った瞬間に次へ切り替える。

だから「辞めます」という一言を言えずに悩んでいること自体、とても無駄なことだし誰も気にしない。ずっと仲の良かった同僚や先輩も、引き止めてくれるのは最初の1~2日。3日後には何もなかったかのように黙々と仕事をしている。あなたが思っている以上に人は人に興味が無い。

まあ、それでも言いにくいよね・・・。この記事はそんな人に少しでも勇気を与えられればと思って書いてみたがいかがだっただろうか?次の一歩を踏み出す何かの要素になれば幸いである。

第二新卒の就職の現状と厳しさ~20代転職のリアルを解説