機械式腕時計の自動巻上げ機「ワインディングマシン」は本当に必要?

機械式腕時計は基本的に毎日時刻を合わせ、毎日腕に装着していないと時間がずれてしまう。そこで活躍するのは「ワインディングマシン」。

もともと「winding=曲がりくねった」というバイク用語として用いられたり、美容室で髪を巻き上げる際に使われる言葉だった。これが転じて、腕時計のゼンマイを巻き上げることも同じように表現され、それを自動で行う機械を「ワインディングマシン」と呼ぶようになった。

しかしここで一つ疑問が生じる。機械式腕時計は謂わばオルゴールのように、ゼンマイが振り切れば勝手に止まるもの。使いたい時(オルゴールであれば鳴らしたい時)だけ巻き上げるようにした方が時計の寿命を延ばすのではないだろうか。機械の力を使って半ば強制的に動かし続けるのは、機械式腕時計の劣化を早めるものではないのだろうか。

  • 使うときだけゼンマイを巻く
  • 使わないときもゼンマイを巻く
  • ワインディングマシーンに常に入れておく
  • ワインディングマシーンには入れない

機械式腕時計の管理方法として、正しいのはどれなのだろうか。

個人的な意見、正しいと思う機械式腕時計の管理方法

ワインディングマシンに入れて回しておくべきか、時計が止まったら次使うときまで放置しておくべきか、その意見は賛否両論で、はっきりとしたことは言えない。私の知り合いの時計に詳しい方でも、時計によってその管理を変えているみたいだし(ワインディングマシンそのものも高額なので)、変えているからといってワインディングマシンにかけていない時計の劣化が早いかどうかの判断も難しいとのこと。

私も一応機械式時計を一つ持っていて、ワインディングマシンにかけて管理している。なぜ私がワインディングマシンによる管理をしているかというと、「楽だから」という理由が大きい。機械式時計の最大のデメリットは「ゼンマイを巻かなければいけない」という手間によるところ。

ほとんど見栄で付けているところもあるので、時計の機能面を重視して機械式腕時計を装着している方はあまりいない。重厚で緻密でかつ社会的ステータスの証である機械式腕時計は、革靴と同じように高ければ高いほど手間や手入れにお金と時間がかかるものなのだ。

従って、私はその手間を最低限減らせるようにワインディングマシンを使用している。急いでいるときも、ワインディングマシンで動かしておけば正確な時間のまま。しかしワインディングマシンを回しておかなければ時間は止まってしまい、いちいち時計を合わせなければいけない。精密機械なので時間の合わせ方も中々面倒くさいし、一度ワインディングマシンを使ってしまうと、正直そのまま放置しておく管理方法に戻ることはできなくなる。

またインテリアとしてもワインディングマシンは美しく重厚感があるため、個人的には「必要派」である。しかしずっとアイドリング状態で稼働し続けるのも、時計内部のパーツの消耗を早めることにつながるようだ。