意外と知らない?革靴をやすりで磨くと輝きが蘇る!

革靴の細かい傷、擦れ、しつこい汚れはやすりで磨くと簡単に落とすことができる。微妙な力加減とテクニックが必要だが、うまく活用すると革本来の輝きを呼び戻すことができるのだ。

デイリーメンテナンスとして使用するには革の負担になってしまうが、週に1度、月に1度の手入れであれば、革の質・寿命を高めることが可能。

ポイントケアでやすりを有効活用!ブラシではできない独特の輝き

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馬毛ブラシや豚毛ブラシといったデイリーメンテナンス用のシューケアアイテムは、土埃等の汚れや、仕上げとして用いることを目的としており、その他の汚れはクリーナーを用いてケアすることとなる。しかし目に見えた物理的な汚れ・傷はクリーナーを使っても落とすことができないため、そういったときはやすりの出番になる。

切り傷を均したり、しつこい汚れを落とすために、ポイント的にやすりを用いる(革靴の表面全体的に使うのではない)。

やすりを使って革靴を磨く方法

馬毛ブラシや消しゴムで全体の汚れを落とした後に紙やすりを使おう。ポイントは600番以上のキメの細かい紙やすりを使うこと。やはり「やすり」なので、革を多少なりとも痛めつけてしまうことになる。高い番数から使っていき、汚れ具合に応じて、番数を下げていこう。最低でも600~1000番の紙やすりを4種類ほど用意しておくと良い。600番以下の粗い目の番数になると革が隆起したように大きく傷ついてしまう。

傷や汚れによって扱うやすりは異なるため、例えば600番のやすり1枚だけではなく、色々な粗さの号数のやすりを準備しておこう。

すりで磨くと革が乾燥する
やすりで磨くと落ちるのは汚れだけではない。毛に付着した塗料や油分も落ちるため、仕上げに靴クリームを塗ることを忘れてはいけない。革が乾燥した状態はクリームが馴染みやすいため、いつも以上に塗ったとの仕上がりが良い。

やすりは靴磨き職人でも使っている技

やすりはプロの靴磨き職人でも使っている技である。部位によって傷つき具合や汚れ具合が異なるため、傷や革の状態によって見極める。やすりで磨くと汚れだけでなく、古い塗料も油分も一気に落ちるため革がリセットされる。

革は古い油分が付いたままだと重くなり、革も傷みやすくなる。毎日オイルやクリームを塗ってメンテナンスを行うのも重要だが、やすりを使って革をリセットするのも重要なメンテナンスの一部。

リムーバーのような洗浄液やクロスもあるが、やすりで磨いた方が古い塗料を綺麗に・確実に落とすことができる。やすりによるリセットは半年に1度、リムーバーによるリセットは1ヶ月に1度と、自分ルールを決めると良いだろう。

やすりは輝きを取り戻すための最終手段

やすりによるメンテナンスはあくまでデイリーメンテナンスで落としきれなかった汚れや傷に対する最終手段。やすりによるケアは「汚れを落としている」と言うより、「汚れが付着した革を削いでいる」イメージ。仕上がりは確かにきれいだが、革にかかる負担も頭に入れておこう。