リーガル、Paul Smith、Antonio Rufo、バーバリー、ラルフローレン、スコッチグレイン…
私も様々なブランドの靴を履いているが、別にそのブランドが好きだから買っているわけではない。あくまで一定の機能性と、お客様目線で見た「自然さ」「清潔感」を求めていつも購入している。
私の営業生活の中で、結果論としてこうした革靴が揃っているということは、やはりブランドには一定の価値が備わっているのだと感じている。だから「ブランドで選ぶ」というのも私は悪いとは思わないし、『革靴業界』に限ればブランド代が大きく料金に上乗せされている印象は受けない(例外もあるが…)。
ブランドとノーブランド~革靴の値段を構成している差は何?
素材の差

革製品全般に言われていることが、革靴ほど「素材」による価格差が生まれるものは無い。市場に出回っている革靴の8割は牛革を使用しているが、クロコダイルやオーストリッチ(ダチョウ)、コードバン(馬の臀部・お尻)などの高級皮を使用しているものだと、値段は牛革・豚革の10倍以上に跳ね上がる。
また牛革の中でもランクがあり、値段が高いものほど素材が良いと判断して差し支えない。商品の成分表には必ずどの皮革を使用しているのか記載があるので確認しておこう。
製造コストの差
靴の製造は「手作業」が基本になる。従って、人件費が安い中国で作られた靴であれば単価は安くなるし、人件費が高いイギリスやアメリカ製の靴であれば高くなる。しかし、スペインやイタリアは中国ほどではないものの、人件費が安く抑えられており、かつ伝統もあるため総合的なコスパが高い革靴が多い傾向にある。
流通コストの差

薄利多売戦略を狙う2万円以下の靴であれば大量生産が可能であるが、それ以上の価格帯の靴だと1足あたりの利益を多く取らないと商売にならない。
一般的に、4万円以上の靴は販売サイクルから算出した1日あたりの倉庫・在庫コストが上乗せされている。
関税

EU・アメリカから輸入される革製品には30%の関税が上乗せされており、これが大きく価格を高騰させている要因。外国製の革靴は確かに高品質で緻密な印象があるが、価格を考えれば海外で現地購入した方が安く済む。
また個人輸入で購入した際も、消費税がダブルでかかってくるので、どちらにしても高く付いてしまう。
仲介手数料
靴のメーカーと、靴の販売店はしばしば異なることが多い。作る専門家と、売る専門家が一緒のケースというのは少ないということ。
例えば、「ABCマート」は靴の販売店であって、靴のメーカーではない。クラークスの靴はリーガルが販売代行を行っているし、もちろんリーガルはリーガルの靴も売っている。販売店とメーカーが異なる場合は価格帯が少し上がる傾向にある。
ブランド料の差

ラルフローレンの靴の一部はリーガルが製作。
バーバリーの靴の一部は大塚製靴が製作。
ポールスミスの靴の一部はチーニーとクロケットジョーンズが製作。
このように、靴にラベルを張っただけのいわゆる「ブランド料」は確かに存在する。しかし、そこに上乗せ料金があるかどうかはブランドによって異なる。
具体的に言うとラルフローレンとバーバリーはガンガン価格を上乗せしているが、ポールスミスはほとんど上乗せしていない(むしろ安くなってる)。ここの事実関係は正直内部の人間でないので分からないところも多いが、ポールスミスのようにブランドに甘んじない良心的な会社もあることを覚えておいてほしい。
高ければいい靴?安ければ悪い靴?
革靴に関して言えば、安かろう悪かろうが大きく当てはまるジャンルであることは間違いない。
ただ、上記のポイントを抑えつつ厳しく選別する必要はある。ブランドに拘らず、上質でお手軽な革靴を求めているのであれば、
国産・メーカー直営
これさえ抑えれば2~3万円台で、外国製の5万~10万円に匹敵する革靴を手に入れることができる。