革靴の値段はピンからキリまであるが、「実際、最高級のものってどうなの」とふと疑問に思うことはないだろうか?高ければ良いという問題でもないのだが、最高品質の革は一体なにが違うのか、今回は最高級革「コードバン」素材の革靴について紹介しようと思う。
コードバン(馬革)の魅力
馬一頭で一足分しか取れないと言われている馬の臀部(お尻)の革である。走ることを得意とする馬のお尻の皮は非常に頑丈で伸縮性にも優れている。人に例えても摩擦や刺激に強い一番丈夫な皮として思い当たると思う。
履き込むほど足に馴染む
形状記憶に優れており、最初のうちは固く慣れない。しかし、履く度に足の形にそって革が伸びるためオーダーメイドされた「世界に一つだけの靴」になる。そのフィット感は他の革では到底味わうことのない感覚である。
独特のシワ
「シワ」と聞くと嫌なイメージが強いが、それは「Yシャツの汚いシワ」と比べてはいけない。「革靴のシワ」は革靴があなたの歩き方に合わせた証であり、履きこんだことをあらわす。特に「コードバン」のシワは独特の深いシワが魅力ともいわれている。
一生使える耐久性
非常に丈夫な「コードバン」は、手入れをしっかりと行うことで一生使用できる。その理由の一つとして、馬革の裏側を靴の表面に使っているためひび割れができにくく無駄なシワができないことである。
最高の経年変化
履けば履くほど、味が出てくる。新品の「コードバン」は見た目としてはツヤも少なく何か物足りなさを感じてしまうかもしれない。それは、人間で例えるなら赤ちゃんである。赤ちゃんに「カワイイ」と思うことがあっても「カッコ良い」という感情は沸かないだろう。革靴も同じで履いていくごとに成長していくため、コードバンはツヤが増して独特の輝きが生まれる。
コードバンの欠点
雨に弱い
「コードバン」は革靴の中でも一際雨に弱い。良い革は、クリームなどがなじみやすくツヤが出やすいが、その分雨にも染みやすい。雨などに履いてしまってすぐに乾かさないと雨ジミができてしまう。フェラーリを雨の日に乗らないのと同じ感覚だ。分かりづらかったか…
色落ちが早い
「コードバン」は色染めがしにくい素材であり、色落ちが早いと言われている。従って、手入れをしないとすぐに色が落ちてくる。もちろん、手入れをすることで元通りにはなるが、他の革靴より手入れする回数は多くなる。
値段が高い
馬一頭から一足分しか取れない希少性は値段にも顕著にあらわれてくる。安くても7万円くらいが相場である。サラリーマンの革靴の平均予算が1万5000~2万5000円なのでおよそ3倍だ。買うのにかなり抵抗がある。
最高級のものは一つほしい
これは、社会人になってからずっと思っていたことだ。普段、会社に行く際に身につけるもので、スーツ・革靴・バッグ・時計とある。その中で、一つは最高級なものがほしいと思っていた。その時値段的に一番安く済むのが革靴であった。初ボーナスで買ったのもそれが理由である。
他の最高級なものは10万円をゆうに超えてくる。「コードバン」の革靴を購入した後、その革靴に見合った働きをしないといけないと思い始めて、さらに熱心に営業ができるようになった。デキる営業マンは常に高みを目指して仕事するもの、今の私の最終目標は「時計」である。それこそ青空天井。未だに購入できてはいないが、自分磨きとご褒美のために日々仕事に打ち込んでいる。