革靴が擦れて痛い!履きなれていない新品の靴の対策方法

営業マンとして新品の靴をおろしたときのあの高揚感はなんとも言えない。身が締まる思いというか、「やってやるぞ」という気持ちになる。しかし、その思いはほんの10分~20分、家から駅に着く頃には静まってしまう。

その原因は靴擦れだ。

とにかく痛い。さっきまでの高揚感は一気に冷め、いち早くこの痛みから逃れたいという思いになる。「やってやるぞ」どころか、もう家に帰って靴を履き替えたくなる。今回はそんなことにならないための事前対策と、その予防策を忘れてしまった際の応急処置について伝授しようと思う。

新品の靴を足に馴染ませるシンプルな方法

オイルを塗り込み革を柔らかくする

革靴を購入したらまずオイルクリームワセリンなどを革全体に軽く馴染ませよう。買ったばかりの靴は硬直しているので、油を塗布してやることで柔軟な動きをする。このたった一手間が靴擦れを防ぐ方法。

またワンポイントアドバイスとして、オイルを塗る前に固く水を絞ったタオルで拭いてやるとより柔軟になる。水分を軽く与えることで乾燥を予防し、靴の屈折部分のシワができにくくなるのだ。その上から「フタ」をする感覚でオイルで閉じ込める。

おすすめのオイル

革靴のお手入れに必ず持っておきたいのが「サフィール」のオイル。保湿・補色・ツヤ出し、まさにオールインワンの働きをしてくれるオイルだ。価格も2000円とお手頃で、プロの靴磨き職人のほぼ全員がこのサフィールを使っているという、オイル界では一強的な存在。

革靴の着用前に、水拭きとこのオイルを軽く馴染ませることで靴擦れは大幅に解消される。

アルコールを塗り込み革を柔らかくする

オイルと同様、アルコールも革を柔らかくする作用がある。さっと塗り込み、乾かし、塗り込み、乾かし…これを何回か繰り返すと革が馴染み柔らかくなる。アルコールは揮発性があり水分を飛ばす働きがあるのでシミになる心配もない。

逆に水を霧吹きで吹きかけるだけだったり、先程解説した水拭きのタオルも、それだけになってしまうと乾燥や革の硬直につながるためおすすめできない。

家の中で革靴を履いて馴染ませる

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笑ってしまうかもしれないが、私は必ず新しい革靴を購入したとき家で2~3日試し履きをしている。まだ外に出ていない綺麗な靴だし、部屋の中で履いていても全く問題が無い。

痛くなったらすぐ脱げばいいし、仮にあまりに痛くて履けなくなれば店舗で交換もできる。もちろんこれは外で履いていないからできる技。ネットで革靴を購入した場合はまず返品OKであることが多いので活用いただきたい。

多少の汚れであれば返品を受け付けてくれるかもしれないが、痛みが進行して血が滲んだりしてしまっては交換できない。そんな状況を未然に予防するためにも自宅での試し履きはするべきだろう。

足が痛くなってしまった場合の応急処置

もし、メンテナンスを行わず見切り発車でいきなり新調した靴を履き始めてしまった場合、「靴擦れ」を起こす可能性は極めて高い。分かり切ったところでミスをするのは営業マンとして恥ずかしいと思ってほしい。ここで紹介するのはあくまで応急処置の方法であるが、イザというときにも使える効果が高い方法なので覚えておいてほしい。

患部にワセリンを塗る

ワセリンは赤ちゃんの保湿剤や、やけどの治療、アトピーや敏感肌の方でも使える非常に安全性の高い油。しかも酸化しにくく、口に入れても問題のないほど純度が高い。もちろん革靴に塗り込んでも問題がないもの。

だから、靴擦れによって痛みを感じるところがあれば、ワセリンを塗り込んで対処すれば革靴にシミがつくこともないし、患部の摩擦軽減にもつながる。

患部に絆創膏を貼る

社内にいるときは絆創膏を貼っておくといい。営業の外回りで動きが激しいときは逆に外れてしまうので付けない方がいい。

厚手の靴下を履く

これは靴擦れするしないに関わらず、厚手の靴下はマストにすべきだと長年の経験から判断する。厚手の靴下を履くことで、中敷きがもう一枚追加されクッション代わりになる。

実は、革靴による蒸れ・臭い・擦れのほとんどは「靴下」によるもの。靴と足が触れ合い、摩擦が行われることで足裏の垢・汗・皮脂が混ざり、足トラブルを誘発するのだ。また薄手の靴下を履くと足裏にかかる負荷が大きくなり、垢や汗の量も増えてしまう。

夏は涼しい方がいいからと、薄手の靴下を履きがちだが、あれはむしろ足のニオイ・蒸れを強めてしまう。

痛みや腫れが酷い場合、出血して革靴が染み付くことも

「新品の靴で靴擦れを起こすのはいつものこと」

そのように軽く見ていると後悔することもある。というのも、革靴のサイズや形状はメーカー毎に全く異なる。同じ27cmでも、メーカーによって微妙にサイズ感は異なるし、捨て寸の長さも違う。個々の足の形状も、外反母趾が酷かったり、小指が外側に出っ張っていたり、そのすべてに万能な靴など存在しない。

特に、心機一転いつもとは違うメーカーや、靴の種類を変えた方は注意が必要だ。

靴擦れを軽視して、腫れや痛みを放置していると、それが肥大して水ぶくれや出血に繋がることもある。これは私の経験談でもあるが、無理をして一日履き続け、帰社後スリッパに履き替えた時、新品の革靴が血で滲んでいるのが確認できた。

痛みを我慢して仕事に熱中するのもいいが、結局このように外傷を負ってしまうとそこから数日はあまり過度には動けなくなってしまう。また、常に摩擦・雑菌の温床環境にいるため治りも遅い。短期的に見ても、効率面を考えても新品の靴を事前にメンテナンスしておくことはできる営業マンとして欠かせないと言える。