【アッパーの切り傷】自分でできる革靴のメンテナンス・補修方法

アッパーとは、革靴の革底を除いた部分(足裏以外全部)のこと。他人から最も目に入る箇所であり、自分自身のモチベーションを高める上でも常に綺麗に心がけたいメンテナンスポイントである。

そこにできやすいのが、切り傷擦り傷
階段の登り降りでつまづいたり、知らぬ間に小石を蹴ってしまったり、アスファルトに革靴を擦りつけたり…。家に帰って革靴を見て見ると思いの外傷ついていることに気付くだろう。そんな切り傷や擦り傷のメンテナンス方法を解説していこうと思う。

革靴の傷を補修する方法

用意するもの

・日頃の手入れグッズ
紙やすり(400番以上のものを4種類以上)
・クリーナー
・綿棒
革用接着剤

傷の対処方法は周りを傷つけること…

kamiyasuri

え?やすり?

そう。傷を目立たなくするためには傷周りの表面を削り、傷との段差をなくすことが重要。物理的なやり方だが、傷を補修するためにはこの方法しかない。

ステップ①:靴をキレイに磨く

革靴に付いた切り傷・擦り傷部分の修復の前に、靴全体をまず綺麗にする必要がある。クリーナーや馬毛ブラシで汚れを払い、染みこんだ古い靴クリームを落とす。以前のクリームを塗りっぱなしにして上塗りするのは腐敗の原因になるためNG。

ステップ②:傷の確認

傷の程度を確認し、その傷が深い場合や革がめくれている場合は接着剤でふさぎこむ。

ステップ③:傷周りの段差をならす

紙やすりを使い、全体の段差をならしていく。最初はキメが粗いもので周辺をならし、徐々にキメを細かくしていく。理想は400~3000番までのものを段階を細かくふんで丁寧に行うことでより傷の残りが綺麗になるか決まってくる。

ポイント
紙やすりの番手を上げていくときは1.5倍ずつにしていく。細かければ細かい程良い。

ステップ④:削った部分に補修クリームを塗る

綿棒を使い削った部分のみに薄く補修クリームを塗っていく。削ったことにより、傷周り外の部分より色が薄くなっているため。

ステップ⑤:仕上げに濃い目の靴クリームで全体の色になじませる

補修クリームが乾いたら、全体の色になじませるように靴クリームで磨いて仕上げる。

傷を直すために傷をつける

傷を目立たなくするために周りを傷つけて段差をなくすとは意外にも大胆な作戦であるが、実は細かい傷であればこれが最も効果的。大きい傷になればなるほど消すために削る深さは深くなるのであまり大きい傷には向いていない。ここで重要なことは早めに対処すること、いち早く見つけることでほとんど消すこと。

これは昔、細かい傷ができるたびに靴の修理に出していたとき、修理屋のマスターに教えてもらった手法。これまでこのやすりによって革靴をダメにしてしまったり、余計に傷をつけてしまったりということはなかったので安心して欲しい。