コインランドリーで登山靴を洗ってみたが仕上がりにやや不満

アウトドアシーズンに差し掛かり、最近では「山ガール」という言葉も浸透し、多くの方が登山を楽しむようになった。しかし山を登るまでは良いが、疲れて帰ってきてそれからシューズの洗濯・手入れというのは中々辛いものがある。革靴のように毎日着用するものではないので、私もついつい後回しにしてしまう。

先に結論を言うと、登山靴など汚れることを前提とした生地が分厚いシューズは手洗いでガシガシ洗ったほうが安いしきれいになる。

今回はそれを実証するために、実際にコインランドリーで登山靴を洗濯しその仕上がりを確かめてみた。

コインランドリーで登山靴を洗濯した備忘録

大事なことなのでもう一度。コインランドリーで登山靴を洗っても、期待するほどきれいにはならない。

しかし、「臭いを取りたい」「明日きれいな登山靴を履きたい」という場合にはコインランドリーを利用すべし。逆に、時間が十分に確保でき、日当たり・乾燥のための環境を自宅に備えている場合はコインランドリーは必要なし。

登山靴は生地が厚いため、とにかく乾燥に時間がかかる。自宅で洗濯して乾かすためには1~2日ほどかかってしまい、せっかくきれいにしても乾かしている間に雨が続くと雑菌が繁殖し生乾き臭を発生させてしまうのだ。

またコインランドリーは特別な洗浄力を備えたものではないのでこと「洗浄力」については平凡。むしろ手でゴシゴシ擦ったほうがきれいになるのでそこは期待しないようにしよう。

コインランドリーに登山靴を持っていく前に

靴裏の目地、表面の目に見える泥・土については自宅でしっかり取り払っておこう。コインランドリー利用におけるマナーでもあり、また先程も解説したように、洗浄力は自宅の洗濯機と何も変わらないため、泥・土が固まった状態ではきれいになるものもきれいにならない。

たわしで軽くすすぐだけでここまできれいになる。コインランドリーでは生地部分に染み込んだ汗などの除去に頑張って欲しいため、泥・土汚れなど余分なものはきれいにして臨むこと。

登山靴が洗えるコインランドリー

登山靴やスニーカーなど、一般的には靴類をコインランドリーで洗うことがイレギュラーだと思われているが、コインランドリーが登場して間もないころからこのサービスは行われているため、「標準装備」と思ってもらって差し支えない。ホームページも無いような個人のコインランドリーですら対応しているので、ほぼ全ての店でできるはず。

これが登山靴用の自動洗濯機。洗剤は自動挿入、洗い・すすぎ・脱水まで全て自動。1回200円、20分で全ての行程が完了し、2足まで洗うことができる。

乾燥機も備え付け。しかし乾燥機については備えていない店舗も多く、容量も少ない。ちなみに私の登山靴はここに片足しか入らなかったので諦めることに。あまりにも小さかった。

何度も繰り返しになるが、乾燥機が使えなければ登山靴のコインランドリーを利用する価値がそもそも無いので、洗う前に乾燥機の有無と、大きさ的に入るかどうかの確認をすること。

実際に洗ってみた

靴用の洗濯機はこれ以上大きなサイズは用意されていないと思うので、最大で2足が限界だろう。特に登山靴は大きいので2足が本当に限界。仕上がりを高めたい場合は1足あるいは1.5足ずつが良いと思われる。

200円を投入し、洗濯スタート(20分)。洗っている様子がこちら。

 

ご覧の通り、あまりうまく洗えているとは言えない。

ただ洗濯液に漬け、固いブラシでガシャガシャこすっているだけなので、むしろ細かいところまできれいにするなら自分でやった方が断然きれいになる。最初に、目に見える汚れを落としておくよう解説したのもそのため。

時間が経つとポジションも崩れてくるので、できるだけ詰めた方がよかったのかぁ・・・と思ったり思わなかったり。

洗いが終了すると水が入れ替わりすすぎに移る。ここまでが10分ほど。

今更ながら紐をほどき忘れていたことに気付く。仕上がりに大きく影響するポイントではないが、皆さんはお気をつけて…。

次に3分間の脱水。脱水は遠心力で水分を飛ばすため、写真のように「靴底を内側」にセットし直すことを忘れないように。

ただ、脱水完了後はこのように変なところを向いてしまっているが。とりあえず完了。

きれいにはなったが足先の泥汚れはまだ付着したまま。結局これは自宅に帰ってまたたわしで擦って落とすことに。しっかり洗剤液に浸けながら洗うことができるため染み込んだ汗や皮脂汚れは十分落ちたものと推測。

本来はここで乾燥までやりたいところだが、なにせ乾燥機が小さく、一足乾かすためには20~40分ほどかかるため断念。この店では登山靴の洗濯はあまり想定しないみたい。個人的にも急ぎではなかったので自宅にて乾かすことに。

ここまでの一通りの流れ、乾燥機まで含めた使用方法などは、店舗で説明が掲示されているのでそれに従うようにしよう。

仕上げに撥水スプレーで汚れ予防

洗濯・乾燥まで完了したら仕上げに撥水・防水スプレーを使用することで、水だけでなく土・泥汚れを弾きやすくなる。なおスニーカーや登山靴は洗浄後だけでなく、出かける前に毎回スプレーしておくだけでその効果が持続する。かけ過ぎても天然皮革でない限りシミになりにくいので実践してみてほしい。

コインランドリーは緊急用

登山靴はまさに登山時以外に履く機会がないため手入れを怠りやすい。そのため臭いや汚れが落ちづらく、いざ使いたいと思ったときは前回使用したままで困ったという経験は誰でもあるだろう。コインランドリーはまさにそういった方向け。

コインランドリーの洗浄方法は洗剤に浸けて固いブラシで擦っているだけなので自宅でやっても効果は同じ。むしろ自宅でやったほうが洗浄だけなら圧倒的に早い。しかし乾燥には浴室乾燥機を使えば半日、日向で自然乾燥なら1~2日かかってしまう。

今回利用したコインランドリーを例に取ると、洗浄に20分、乾燥に40分(片足ずつなので計80分。大きい乾燥機があれば1ペアで40分)、計100分は最低でもかかる

「コインランドリーを使えば靴がきれいになる」と勘違いしている方も多いので、利用する目的と、自分がそれを利用すべきなのか把握して行うようにしよう。