「最低3年以上働かないと転職で不利になる」
このいわゆる「3年ルール」をあなたも聞いたことがあるだろう。実際のところ3年で辞めようが1~2年で辞めようが世間の評価は大して変わらない。大事なことは「その会社でどんな経験を積んできたのか?」ということ。
今では転職に対して非常にポピュラーなものになったし、ほとんどの人が一生に一度は転職を経験すると言われている。アメリカがまさに「転職社会」であるため、日本もその流れになりつつある。ただ誰しも初めての経験ではこういったルールに縛られがち(致し方ないのだが)。我慢して会社に3年以上居座り続けても、そこでの経験が次に生かされないのであればそれはただ時間を浪費しているに過ぎない。
しかし「3年」という基準が全く無くなったわけではない。それはつまり、1~2年で会社を辞めるような人間をわざわざ高く評価する会社も無いということ。
「評価が変わらない」というのは、決して1~2年で辞めることを推奨するわけでも、3年以上働くことを悪く言うことでもない。
3年我慢して会社を辞めても転職で評価されるとは限らない
転職時に企業から評価されるポイントは4つある。
- スキル(資格を含む)
- 経験
- 年齢
- 人格
このポイントの中でもスキル・経験・人格に関しては勤続年数に関係なく身に付けることができる。言い換えれば、1年で辞めても3年で辞めてもこの3つをクリアしていれば、「年齢」について寛容な会社であればすんなり決まってしまうことも多い。
早期で会社を辞めても評価される方法
先程挙げたポイントで最も重要になるのは「経験」。
従って、必然的に転職時は全く違う職種の仕事より、今までやってきた職種の仕事の方が決まりやすい。これは私の人事経験から言っても明らかで、例えば「営業を5年間やってきました」という人間が、人事や経理などの管理系職種に面接に来られても、余程のことが無いと採用することはない。
自分(転職するあなた)が「今までとは違った仕事をやりたい」と思うのは勝手だが、利益達成のために存続する企業が一個人の、しかも転職者の希望を叶えてあげる義理はない。
これが新卒採用と転職採用の最も大きな相違点。「経験」が最も重要であるという理由はここにある。
「経験」に年数は関係ない
長く就業していても、同じ作業を行うような仕事では転職時に評価されることはない。
例えば、「3年間、製造工場でライン作業をしてきました」という経験に何か面接官の目を引くものはあるだろうか。細かいことを話されても、この文章1つでその方が「ただ3年間仕事をしていただけ」だと思われてしまう。
対して、「1年間、新規顧客の開拓で〇件の契約、また営業数字もノルマを常に達成し続けてきました」という伝え方をすると、その会社にどれだけ貢献していたか把握できる。こうした目を引くものがあると、1年で辞めたとしても転職時に企業から適正に評価される。
細かいことでも会社で習ったことはまとめておく
その会社で習ったこと・学んだこと・経験したことはノートや簡単な日記でもいいので必ずまとめておこう。転職時に前職でどのような仕事をしていたか聞かれるので、面接官がイメージしやすいように話せるだけでも評価のポイントになる。どんな仕事でも、意味のない仕事は存在しない。些細なことでも、日頃からメモする習慣を付けておくことも大切だ。
「毎日日記を付けましょう」と言うと、中々続かないが、「転職のための必勝ノート」を作るためなら毎日続けられそうでは??
会社を辞める決断
よく言われる言葉だが、会社は「辞めたい」と思ったときが辞めどき。
いくら考えても頭に「転職」という言葉が思い浮かんでいる間は仕事でも上手くいかないし、頭は辞めるための思考回路に転路しているので、どんどん自分の考えを正当化するように回ってしまう。経験を積んだり、スキルを磨こうとも思えない会社に何年いても転職で有利になることはないし、「辞めたい」と思った決定的な理由があり(ただ辛い、行きたくない、面倒くさい、などではない理由)、その準備ができているのであれば、1~2年で会社を辞めても全く問題ない。