革靴の染め直しは自分ですることは難しい。不可能ではないが、私も一度やって上手くいかなかった。日本でも革靴をキレイに染められるカラリストは、日本に20名未満と言われている。それぐらいその技術が難しいこと物語っている。これでもなお自分で挑戦してみたい方に、一般的な染め直しの方法を解説しよう。
革の染め直しは最も劣化を招く
革靴の手入れの方法で最も難しい技術が染め直しである。元の革自体の色を染めることは容易ではない。日本でも革を染めるカラリストが20名にも満たないほどである。また革は染め直すことが革に負担がかかり、革質が落ちる可能性もあることを知っておこう。
革靴を自分で染め直す方法
【革靴を染めるために必要なもの】
- リムーバー
- 染料(レザーダイ)
- レザーコート(色が落ちにくく、汚れを付きにくくするもの)
- ウールドーバー(革に染料を塗る道具)
主に用意するものはシンプルである。革靴はそもそもの色から換えるために、染料はしたい色より濃い目の色を選んでおこう。
1:リムーバーで目に見える汚れを落とす
良い革靴ほど、元の革の色に付いた染料を落とすことは難しい。クリーナーの中でもリムーバーは強力で、革に付いたオイルや汚れ、色クリームまで落とす。さらに強力なものにシンナーやエタノール系の色落としの薬品があるが、革が傷む可能性があるためおすすめはできない。革本来の色味になるまでキレイに落とそう。
2:染料で革を染めていく
1の行程で革に付いたものを落としたら、その後ウールドーバーに染料を染み込ませて革靴に塗っていく。一気に染み込ませず、少しづつ付けながら革に染めていく。全体的にバランスをみて、塗る料を色の落ち具合や濃さを見てかえていく。細かい部分はキメの細かい歯ブラシや絵の具用の筆などを使うことをおすすめする。
3:乾燥させ色合いを確認していく
染めた革靴を通気性の良い日陰で乾燥させていく。革に色が馴染んだ後に塗ったときより薄くなるため、予め染料は目的の色より濃いめのものを選んでおく。乾いた後に重ねて塗ることでさらに色味に深みが出るが、革の柔軟性を失うためできる限り避けたい。
4:仕上げに染めた上からコーティング
染めやすいようにリムーバーによって革がむき出しの状態になっている。そのため、革は染めた後にレザーコートで上からコーティングして色落ちや汚れを防止する。塗っている時は少し反射して光っているが、乾燥すると透明になり少しマッドになる。仕上げにコーティングするかしないかで染めた後の色落ちを左右するため欠かしてはならない作業である。
やっぱりプロに頼むのがいいかな…
革靴の染め直しをプロの職人に頼むと1万円前後かかるが、自分の革靴本来の質を下げないためにはプロに頼むことが一番かもしれない。興味本位で全く履かない革靴で挑戦してみてもいいが、私の周りでも染め直しが「上手くいった」という人は知らない。