新品の革靴の手入れは「履く前」に行う。新入社員が働き始める前に研修期間があったり、新品のグローブを柔らかくするために型を作ったりするのと同じで、革靴も履き始める前にメンテナンスを行う必要がある。最初にこの作業を行うだけで、靴擦れが無くなったり、傷や雨水予防ができる。
なぜ新品の革靴を手入れする必要があるの?
そもそも、買ったばかりの靴に汚れも傷もないのにどうして手入れするのか疑問に感じると思う。
実は、新品の靴は新品であって新品でない。
屁理屈に聞こえるかもしれないが、本当の新品状態の革靴は製造工場にしか存在していない。あなたが店頭で買うまでにどれほどの時間が立っているか。試し履きなどでどれだけの人が足を通したか分からない。
製造段階では、綺麗にクリームやワックスが塗布されているが、工場から出荷されて店頭に並ぶまでには塗料やワックスが剥がれ落ち、酸化・劣化が始まっている。新品の靴は「硬い」と思うかもしれないが、それは革の劣化・乾燥が進行し硬化している可能性がある。そんな「新古品」を出荷前の工場の状態に戻すことが必要である。
新品の革靴を履く前から必要な手入れ方法
革靴を初めて買う人には、その際に最低限一緒に買っておいてほしいのが、靴クリーム・撥水スプレー・馬毛ブラシ。
手入れ方法の手順
①靴紐を解いて革だけの状態にする。
靴紐を解き、革だけの状態にする。これによりクリームが全体に塗布しやすくなる。
②革靴の表面の埃を乾拭きで落とす。
クリームを塗布する前に、革靴の表面にこべり付いた汚れや、チリ・埃を取り払う。
③クリームを塗る
クリームは無色のものを使っていく(無ければワセリンでもOK)。布にクリームを付けて全体になじませるように塗っていく。付け過ぎてしまうと履く前から革の色にムラが出てしまう為、ここの作業は少しづつ丁寧に行っていく。豚毛ブラシを用意できる方は、塗り終わった後に軽くブラッシングするとクリームの浸透をサポートすることができる。
④乾いた布で無駄なクリームを拭き取る
「③」で塗ったクリームの無駄な部分は浮いてくるので、革に染み込む前に再度乾拭きで拭き取り、ムラを無くす。
⑤仕上げに防水・撥水加工
靴全体にまぶすように、上から撥水スプレーを噴きかける。革靴の場合は防水スプレーより撥水スプレーを使用することが一般的。
⑥風通しの良い暗所で乾かす
乾かす行程で一番大事なのは場所。早く乾かす為に、日向に置くこがあるが、革が焼けて色が落ちてしまう。風通しのいい暗所で保管し、乾いたら紐を通して終了。最後に馬毛ブラシで磨くとツヤが出る。
以上が、新品の靴の手入れ手順。
何も難しいことはないが、これをやっておくだけで靴擦れが解消したり、馴染みが早く劣化や酸化の予防ができるので実践してみよう。