革靴の銀浮き(水膨れ)を直す正しいメンテナンス方法

革靴表面にボコボコと水膨れのようなものができてしまったことはないだろうか。

通称「銀面浮き」と言われ、雨や汗、製造過程の中で使用した薬品や塗料などの水分が乾いて浮き出てきたもの。このように膨れ出る症状のものもあれば、塩が噴いたような白い物体が表に出てくるシミ汚れも存在する。

雨の翌日には専用のリムーバー、クリーナーを用いてメンテナンス、休日や時間を確保できるときがあれば水で丸洗いしてやるときれいになる。また、水膨れのようにボコボコと浮き出てくるような銀浮きの場合は、レザースティックを用いて革を撫でるようにならすときれいになる。

銀浮き・銀面浮きのメンテナンス方法

専用のクリーナー・リムーバーを使ってメンテナンス

雨シミやカビ、もちろん銀浮きにも使用できるクリーナーがサフィールレノマットリムーバー。銀浮きが目立つ場所に塗布すると、使用した布が真っ黒になるほどよく取れる(取れすぎる)。日常使い用のステインリムーバーと違い、潮吹き・シミ・カビのトラブルに対して非常に強力に革をリセットする力がある。

良い意味でも悪い意味でも油分を完全に抜き取ることができるため、塗布後の革靴は非常にカラカラ。必ずメンテナンス後はオイルやデリケートクリームでアフターケアを行い、2~3日日陰で放置しておこう。

レザースティックを使ってメンテナンス

銀浮きには、塩分や薬品類が浮き出るタイプのものと、水分が乾燥し革を押し出すように膨れ上がるタイプの物がある。どちらもサフィールのリムーバーを用いればきれいになるのだが、リムーバーは年に2~3回が限度で、何度も使うと革にも負担がかかる諸刃の剣。

そうした時はレザースティックを使って、革を撫でるように銀浮きを潰していく物理的な方法もある。

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特にコードバンなどの高級革を使用した革靴や、ハイブランドの革靴のメンテナンスには、こういったレザースティックの使用が適している。強力な薬品類を高額な革靴に使用するのは勇気がいるからだ。

言い換えれば、そこまで高価な革靴でなければリムーバー・クリーナーを使ったメンテナンスで十分。またペネトレィトブラシなど化繊ブラシを普段からメンテナンスで使用していれば銀浮きを日常的に予防できているはずなので試してみて欲しい。こちらであれば500円ちょっとで購入できるのでレザースティックに比べるとかなりお手頃。

防水スプレーを使ってメンテナンス

日頃のメンテナンスから防水・撥水スプレーを使用するようにすると、格段に銀浮きを予防することができる。防水スプレーはメンテナンスの総仕上げとして全体に吹きかけるものだが、「革を傷める」「劣化を早める」と疑って、使わない方が多い(単純に雨の日にしか使わないものだと勘違いしている方も多い)。

しかし日頃の手入れで(あるいは出かける前に)その一手間を加えるだけで、革靴の水対策(シミ・カビ・銀浮き)が可能となり、寿命を伸ばすことができる。強いてはリムーバーを使う頻度を減らすことができるし、最近は防水だけでなく、撥水・防塵・防汚といった機能も持たせられ、長期的見るとかなりの節約になる。

雨(水)に強い革靴で銀浮きを予防

究極的な銀浮き・雨シミ対策となる方法は、雨に強い革靴を履くこと。例えば最近では除湿・防湿・透湿機能を全て備えたゴアテックスの革靴が流行り。具体的に言うとアシックスのランウォークや、リーガルなど。

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内(汗)・外(雨)からの水害をカットできるため、蒸れないし濡れない。確かに「革靴」という本来のものを楽しむ路線からは外れてしまい、かなり機能性重視のものになるが、日頃のメンテナンスも楽になるし、何より足が蒸れにくくなるというのは、ビジネスマンにとってかなり嬉しいものではないだろうか。

特に営業として毎日のように外回りをしている方にはおすすめ。値段もデザインも通常の革靴とほとんど変わらないため、銀浮きや雨対策をお考えの方は是非一度試してみてはいかがだろうか。