今回は、靴紐の通し方(「結び方」ではない)について伝授しよう。靴を隅々まで手入れをする際は、紐を全部取って手入れをすることもあると思う。しかし、手入れを終えて、いざ靴紐を戻そうと思ったとき「あれ…どうなってたんだっけ」と紐の通し方を忘れがち。
毎日見ている革靴でも、どのようにして通されていたかわからなくなる。また通し方には実は4種類もあり、それぞれ特徴がある。この機会に自分の靴に合った結び方をマスターしてみてほしい。
4種類の靴紐の通し方
ビジネスシューズの基本:シングル
一番伝統的でフォーマルな場やビジネスの場で扱う靴に用いる結び方だ。
【シングルの特徴・メリット】
4つの通し方の中で一番締めやすい結び方。しかしその反面緩みやすいのもこの結び方の特徴である。
シングルの通し方
②下の穴に通した紐を反対側の穴に通し、また反対の一つ上の穴に通す。
④「②」の作業を繰り返し行うと写真のようなシングルの通しの完成
外回りの営業マン向け:パラレル
シングルより少し運動シューズ向けでスニーカーなどで用いられていることが多い。もちろん、革靴で用いても何も問題はない通し方だ。
【パラレルの特徴・メリット】
通した紐に弾力性が出て、長距離を歩いていても疲れにくいのが特徴だ。外回りの多い営業マンには適した通し方だ。
パラレルの通し方
②写真で説明すると、右の穴から左の穴一つ飛ばした穴に紐を通す。
④右に通した紐を「②」で一つ飛ばされた左の穴に通す。
⑥最後は左右反対の穴に通してパラレル通しの完成。
基本的な結び方:オーバーラップ
靴紐の通し方で最も一般的。
【オーバーラップの特徴・メリット】
通し方の中では一番緩みにくく、スポーツシューズによく用いられている。
オーバーラップの通し方
②左で通した紐を右の次の穴に上から通す。
④「②・③」と同じように左に通した紐を右の次の穴に上から通して、右に通した紐はさきほど通した紐の上を通るように左の穴に上から通す
補足:ハイカット向けのアンダーラップ
フィット感がいいのが特徴で、ハイカットのシューズに用いられるのだが、緩みやすい。
アンダーラップの通し方
①一番下の左右の穴に下から紐を通す。
②右に通した紐を左の次の穴に下から通す。
③そして、左通した紐を右の一つ飛ばした穴に通す。
④右に通した紐を次は左に一つ飛ばした穴に通す。
⑤一番下に残っている「①」で左に通した紐を右の「③」で飛ばされた穴に通す
⑥次に右に通した紐を今度は左の「④」で飛ばされた穴に通す。
⑦最後に残った紐を右の穴に通して、アンダーラップの完成。
用途に合わせた紐の通し方をする
こうして見ると、紐の通し方にも特徴があるのがお分かりだろう。用途や仕事、靴に合わせて通し方を変えられると思う。確かに通し方を変えただけで、劇的な変化があるわけではないが、履く回数が多い靴は通し方一つで革靴の履き心地やストレス、耐久性なども変わる。リフレッシュの意味も込めて靴紐の通し方を変えてみるのもいいかもしれない。