相手に好印象を与えるスーツ・革靴の組み合わせ・コーディネート

どんなに高価なスーツを買っても、どんなに良質な皮革の革靴でも、「着こなし」ができていなければ全く無意味。「豚に真珠」という言葉があるが、まさにそういうこと。

デザインやサイズ、革質なども確かに大事だがもっと重要なのは「色合い」。目にパッと飛び込んでくる「色」の情報は何よりも強い。

逆に、色で自分の印象を植え付けたり、存在を認識していただく手段にもなる。今回は、スーツの色に合わせた革靴のコーディネートについて、着こなし術をマスターして頂けると嬉しい。

営業マンにおすすめのスーツ・革靴の組み合わせ

黒スーツ×黒革靴

全身を黒にした無難なスタイル。当たりハズレのない最も多い合わせ方。視覚的に、パンツと靴の色とを揃えると足長効果があり、スリムなイメージを植え付けられる。ただ、喪服のようになってしまうと暗い印象を与えてしまうため、スーツにライン(ストライプ)があるものを履いたり、ネクタイやシャツに色を入れて個性を出していくことがポイント。

革靴をモンクストラップにしたり、ベルトの色やバックルに個性を出し、金具を表に出すとワンポイントになり就活生・学生感も抜ける。

紺スーツ×黒革靴

一般的な組み合わせ例の一つ。しかし実は革靴がすごく目立ってしまう色の組み合わせ。安物の革靴を履いていたり、手入れを行っていないとすぐに分かる。ストライプ柄の紺スーツは中々合わせづらいため注意。

個人的には、紺スーツであれば茶色の革靴を合わせた方が落ち着いた印象を与えられると感じているが、黒×黒の組み合わせより少しやわらかい印象を与えることができる。

黒スーツ×茶革靴

黒スーツと茶色の革靴の組み合わせも一般的だが、実はレベルが高いので慣れていない人にはおすすめできない

ここの注意点は、小物類(ベルトや時計)の色も合わせること。小物の色を揃えると全体的に体が締まり、スマートな印象を与えることができる。小物の色にバラつきがあると、視覚的な情報量が多くごちゃごちゃしてしまう。茶色にも、焦げ茶・ベージュ・黄土色など、明るさや濃淡で種類が豊富にあるため実は意外と難しい。また材質も気を遣って揃えないと、目の前にした時に各小物が主張しすぎて鬱陶しい印象を与えてしまう。

茶色の靴を嫌う人もいる

更に、会社によって(また上司によって)、茶色の靴を履くことにあまりいい印象を持っていないケースがある。特に、銀行・金融・不動産・公務員関係の方は一生茶色の靴を履くことは無いかもしれない。もちろんこれはお客様によっても異なり、「茶色の靴」というだけで、チャラチャラした印象を与えてしまうこともある。

小物にかかるお金、相手が受ける印象など、何かと難しいことが多いため、新入社員や社歴の浅い社員、センスが無いと自負している社員はやるべきではない。

革靴とベルトの色を合わせよう!スーツの着こなしUP術

紺スーツ×茶革靴

意外かも知れないが、「黒スーツ×茶革靴」よりもこちらの組み合わせの方が経験上トラブルが少ない。スーツも革靴も、視覚的にどちらも色を主張しないため、やわらかい印象を与えてくれる。

それだけ黒の印象というのは強いのかもしれない。

グレースーツ×黒革靴

個人的に黒×茶の組み合わせが最もいい印象を与えられる(不快にさせない)と思っている。

理由は、黒の革靴が最も映える色の組み合わせだからだ。普段から革靴のメンテナンスをしっかりしている自信がある人にはおすすめ。お客様にも「靴をしっかり磨いている」とアピールすることができるし、黒スーツよりもグレースーツの方が視覚的に相手をリラックスさせることができる。

靴がいい意味で主張してくれるため、安いスーツ・パンツでも全体の締りが良く好印象。

逆に言うと、普段革靴の手入れをしていない人はこの組み合わせをするべきではないし、他の組み合わせなら靴のメンテナンス不足を「隠す」ことができる。

営業マンにおすすめできないスーツ・革靴の組み合わせ

グレースーツ×茶革靴

営業マンとしてはあまりお勧めできない組み合わせ。どちらもふわふわした色の組み合わせで、その人がかすんで見える。

どうしても組み合わせたい場合は、スーツや革靴の色に濃淡をつけるといいかもしれない。

例)濃いグレースーツ×明るい茶革靴
例)明るいグレースーツ×濃い茶革靴

また、濃いグレー×焦げ茶の革靴であるなら色合いとしてはOK。

スーツと革靴がどちらも明るい色の組み合わせは日本人には合わない。うちの社員にもアメリカ人がいるが、この社員であれば似合うのに、日本人の社員がこの組み合わせをしているとどうも合っていないような気がする。恰幅の良さや背丈など、色の組み合わせは必ずしも全員に共通するわけではないということも覚えておいて欲しい。

営業マンに最も合う組み合わせは?

あくまで私の主観(これまでの経験則も含め)であるが、

黒の革靴に合う営業スタイルはグレースーツ
茶色の革靴に合う営業スタイルは紺スーツ

ポイントは「濃淡」と、小物類の色の「統一」。お金をかけずに無難に好印象を与えられる組み合わせはグレースーツ×黒革靴。黒革靴は基本的にどのスーツにも合うし、どの職種の会社でも着こなすことができる。しかし茶色の革靴はスーツの色によって左右され、かつ小物も揃えなければならない。