元気な人でも暑さには勝てない。5月~8月にかけてうだるような暑い日が続くと、どんな人でも熱中症にかかるリスクは備えている。「自分は大丈夫」という固定概念は絶対に捨てること。
「明日は我が身」という意識で過ごしてもらいたいし、もし職場の人で熱中症になった際は積極的に救助してほしい。私も一度、熱中症を経験したことがあるのだが、自分に何が起きているのか、何が最善なのかわからなくなった。それぐらい急に起こるものなので知識を蓄えておこう。
急に起こる頭痛は要注意!熱中症の前兆は覚えておく
営業回りでずーっと太陽の下を移動していると、頭がぼーっとしたり、急に気持ち悪くなったりする。それは熱中症の症状の前兆である可能性が非常に高いので、すぐに次のような対応を取ってほしい。
速やかにその場から移動!涼しくて座れる場所に退避
外出で営業中に頭痛で頭がボーッとしてしまっているのであれば、その時点で仕事の手を休めて風通しの良い場所や日陰に移動すること。タクシーが拾えれば、タクシーに乗り込んでしまっても構わない。頭がぼーっとして体調が優れないことを伝えれば病院へ直行してくれる。室内の場合において頭痛を感じたらクーラーの効いた場所に移動する。ネクタイやベルト、着ている服をゆるめ、こもっている熱を体から外に出す。
体を冷やす
自分の楽な姿勢で横になり、足を少し高く上げて、脇の下や首など(太い血管がたくさん集まるバイパス部分)にタオルで巻いた保冷剤(コンビニのドリンク用の氷の入った袋で代用可)などを巻いて体を冷やす。周りに氷などがない場合は冷たい水にタオルを浸してこまめに交換して常に冷たい状態をキープする。
よく「冷房の風は体に悪い」と言うが、あれは「当たりすぎる習慣」が体に悪いという意味で、熱中症にかかった際は冷房の風から扇風機までガンガン体に当てて熱を飛ばしてやる。
スポーツドリンクで水分補給
熱中症の大きな原因は脱水症状にある。スポーツドリンク等で体の水分を素早く補給すること。体内の60%以上は水分で構成されており、その数値を下回ると全身の機能不順に陥る。
水でもお茶でもOK。ここで必要なのは水分とミネラル。そして体への吸収スピード。これを備えたものがスポーツドリンクである。ただ、ジュースやコーヒー、甘い飲み物は体に吸収される前の「ろ過作業」に非常に時間がかかるため、夏の熱中症対策としては適した飲み物とは言えない。
休日にできる熱中症予防対策
熱中症の初期症状である頭痛や吐き気、めまいは自立神経の乱れからなる。夏のように、冷房の効きすぎた部屋から急に外に出ると体温は一気に上昇し脳がヒートアップする。この際に自立神経が乱れ頭痛やめまいを引き起こす。
もちろん、冷房の効いた部屋にいるべきだが、あまりに室温を下げ過ぎたり、全く汗をかかない生活をしていると、ちょっと外で息切れしただけでクラクラしてしまう。冷房がなぜ「体に悪い」と言われているかというと、皮膚の体温調節機能(自律神経)を奪うから。従って、これに慣れていると厳しい暑さを目の前にしたとき体の調整機能が働かず倒れてしまうのだ。
5月~6月の急な気温変化に注意
熱中症は急な気温変化によって起こるため、少し肌寒い4月~急に気温が高くなる5月までの期間は特に注意が必要。
6月でも、高温多湿状態から熱中症を引き起こすこともあるため、思い立った時からすぐに対策を心がけたい。熱中症は頭でわかっていても起こってしまうと意外とどうしようもできない。うちの会社にも身長190cmの元アメフト部の大柄男がいるが、昨年熱中症で倒れ意識を失っていた。大事には至らなかったが、現役時代において一度も熱中症になったことはなかったと言う。