カタログ通販会社の評判!怒涛のテレアポ・飛び込み営業の世界

今回は、通販カタログ会社のリアルについて紹介しよう。「カタログ通販」と聞くと、家にカタログがあってそれから品番を書いて注文することがイメージとして強い。しかし、現実はネット環境が普及してきて、大体の人がネットで注文する時代だ。「じゃあカタログ通販会社の営業マンは何をするの?」と考える。それは、新規顧客開拓・既存顧客訪問・他社からの変更の提案といったところがメインの仕事になってくる。

では、どんなところがキツイのか説明していこう。就活中の人や転職を考えている人は参考にしてほしい。

顧客の取り合い?カタログ通販会社のリアル

https://www.tanomail.com/

https://www.tanomail.com/

これは、私が人事をしていて転職で面接にきた転職者から聞いた話だ。カタログ通販会社と聞くと会社名がわからないが、「大手」と呼ばれるところを挙げると次のような会社。

・大塚商会(たのめーる)
・ASKUL(アスクル)
・KOKUYO(カウネット)
・JOINTEX

といった会社を指す。事務用品や生活消耗品といったものをネットから購入してもらい利益を得る。会社で使うもののほとんどはこのどれかから頼んでいるといっても過言ではない。

学ぶことが多い業界

新入社員は商品知識をつけて

カタログ通販はカタログが新しくなる度に、記載されている商品の値段が変わる。何万という規模のアイテム数だ。全て覚えることは不可能なので、営業マンとしてはカタログのどのページに何が記載されているか覚えるくらいがやっと。

自社の情報だけでなく他社の情報もチェック

自社製品の大体の値段や強みはもちろんのこと、他社製品の情報も覚える必要がある。簡単にいうと「たのめーるはコピー用紙が安い」「アスクルはすぐにくる」「カウネットはKOKUYOブランド」など、各社の強みを把握しなければいけない。

仕事内容と中途採用の契約内容

怒涛のテレアポ&飛び込み

pixta_19864161_S

「新規顧客」や「他社からの変更提案」が主に新しい売上がたつメインのものになる。

営業事務は社内でリストを元に新規開拓営業の電話。会社によっては、テレフォンマーケティング(通称テレマ)を雇い、1人1日最低でも100件以上は電話を掛ける。リアルなところ成約率としては10件の内1件くらいのペースだ。カタログ登録は無料なので、とりあえず登録してくれる人が多い。

営業マンは既存顧客や他社顧客に「これぐらい事務用品・消耗品に使っていたらこれぐらい安くなりますよ!」という提案営業の電話や飛び込みがメインになる。営業マンの提案営業の確率は20件の内1件のペースでアポイントが取れる。アポイント後の成約率は80%以上と訪問できれば強い。その転職者の会社では目標(ノルマ)があり、1ヶ月に10件以上の成約が条件らしい。従って、成約率も考えて1ヶ月に250件以上も電話を掛ける。営業事務やテレマより少ないように感じるが、新規と違い既存や他社顧客のため、担当者や決済者に繋がるまでひたすら電話をする。同じ会社に週に1度は電話するので、1日50件以上は電話することが目標となってくる。

既存顧客を守るために、利用金額を管理してボリュームディスカウント(売上に対しての値引き率)の提案をして他社から奪われることを防いでいる。他社に提案する際も同じである。

中途採用者はほぼ契約社員として採用

顧客の取り合いがメインとなる会社では、即戦力を求めている。そのため中途採用の人は、力を見定めるために「契約社員」で雇われるケースがほとんどである。3ヶ月or6ヶ月の期間で契約して更新を続けていく。数字がとれなかったら契約終了期間の1ヶ月前に宣告されて契約終了(つまりクビ)となる。正社員を目指して頑張るらしいのだが、これが長くは続くないとのことだ。精神的に追い込まれるケースが多い。

離職率は高い?

ここまで聞くと激務のように聞こえるが、仕事内容は至ってシンプルである。特別な資格が必要になることもないので離職率も高いわけではない。労働者の自己都合の離職ではなく、会社による一方的なクビ・契約終了によって中途採用が切れることが多いのが現実である。

その業界のやりがいは?

この業界のやりがいは「お金」である。

ボーナスに関していえば、自分で上げた業績に応じてボーナスに反映される。「数字=お金」といったものが目に見えてわかる業界である。しかし基本給としてはそこまで高いわけではないので、ボーナスでどれだけ貰えるかが重要になってくる。

どんな人が向いている?

ずばり、評価をしてほしい人に向いている。

数字が顕著にボーナスに現れるので、「これだけ頑張った」「これだけ売り上げた」と言えば評価をしてくれる業界だ。しかし、業界として需要はあるが、売っている単価は安いものなので、不動産や保険会社の程儲かる仕事ではない。しかし言い換えれば「誰でも結果を出せる」業界なのでモチベーションは維持しやすい。

大塚商会などはボーナスが非常に高く、年収1000万円超えも夢ではないという。

その話を聞いて…なんで転職したの?

pixta_20806463_S

その転職者からカタログ通販会社のリアルを聞いて、「なぜ辞めたの?」と聞いたところ、「”安くなります営業”に疲れた」と話してくれた。

「もっと自社製品に自信を持って営業がしたい」から転職を考えたらしい。「安くなります」や「他社から切り替えましょう」といったマイナスイメージの強い営業より、相手から求められる営業、「こういうものがほしい」「ぜひこの商品を担当させて下さい」などのプラスイメージが強い営業がしたいそうだ。

ただ、仕事というのはやっていくうちに誰でもその正当性を考えていくようになる。例えば「警察」という仕事は、犯罪ありきの仕事。「医者」は、病気の根治を絶対に考えない仕事。どんな仕事にも裏面は存在するし、そこにモチベーションや価値を感じている人もいるはずだ。その転職者も結局は自分が勤めていた会社を悪く言いながら、うちの会社へ転職を希望してきたのだから、面接中の自分の営業方法としては同じ。多分この方はどこへ行っても無い物ねだりで転々とするだろう。